DJりん

溺れるナイフのDJりんのレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.7
予想を斜め上に超えてきた作品。
まず私がこの作品を見たのはBSでこの作品がやることを知ったからというのと以前から名前だけは知っていたからという理由だけだった。
加えて出演者を見ても何となく今流行りの人らを集めてみました的なキャスティングだったので多分キャスト頼みの作品なのかなと思ったが実はそうでは無かった。
所々で退屈してしまったり少々府に落ちない部分はあったけれど類似の作品とは毛色が違う面白さを感じた。
小松菜奈が転校してきて菅田将暉といい感じに…という流れまではマジでありがちだけれどそこから先は中々の物だった。
私は最初見た時からこいつ何となくキモくて怪しいなと思っていたので事が起こった時に特に驚きはしなかったが、分かっていたにも関わらず強い憤りを感じた。
まだ中学生の子供に対してんなゲスい真似すんのかよ😡と自分の中でも怒りが爆発するのを感じた。
そしてそれと同時に2人のことを考えるととてもいたたまれない気持ちになった。
実際こういう事件の傷痕って絶対簡単に消える物ではないし殆どが死ぬまで引きずる程の深い傷になる。
しかもこの手の事件は被害者側の方が社会的ダメージが大きかったりするから声を上げようにもそうもいかない。。
だから結局泣き寝入りに近い形で終わってしまうのだから本当にたちが悪い。
実際私も過去のことで今も消えない深い傷になっている事があるのでここからのシーンはとても胸に刺さるものがあった。
しかしだからこそ既存の今作と類似している作品とは一味も二味も違ったラストには一気に心を持っていかれた。
綺麗事を一切なくした被害者達の嘘偽りの無い真っ直ぐな「真実の思い」を表現したとも言えるラストには震える程感動された。
それにこのクライマックスシーンでの出演者達の演技が素晴らしく自分も行け、行け!と思わず叫んでしまった。
綺麗事を省いた一風変わった作品となっているので小松や菅田目当てで見ようと思っている方にこそ是非見て欲しいと感じた作品だった。
DJりん

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