とぽとぽ

フランス組曲のとぽとぽのレビュー・感想・評価

フランス組曲(2015年製作の映画)
3.5
"ナチス"という名前の出てこない戦争映画…戦時中にアウシュビッツ収容所で亡くなったイレーヌ・ネミロフスキー未完の原作

仏ミシェル・ウィリアムズ × 独マティアス・スーナールツ = 許されざる愛だと知って…厳格な義母と暮らす音楽を愛するリュシルと、ド畜生と化す支配国の連中ばかりの中で戦前は作曲家をしていて話の分かる将校。彼の元には地元民からの内部告発的な醜聞ゴシップが集まる。気をつけ!
戦時下における普通の人々の生活が胸を打つ。例えば、作中初めての空襲シーンも主人公たちと一緒に体験するような衝撃があった(もちろん映画を見る中でという意味合いに限るが)。なんでもかんでも英語になるのはいかがなものだが、おかげでクリスティン・スコット・トーマス、サム・ライリー、マーゴット・ロビーなど世界的に顔の知られた/名の通った地味にいいキャストが揃っている。ただ、リュシルに関して言えば、フランス人ならば個人的にはメラニー・ロランでもいいなと思った。
若い男たちが戦争へ出払っている中では、若いフランス人女性とドイツ兵が惹かれ合うこともある(ex. グスタフ)。馬に挟まれる事故で脚の悪いブノワ・ラバリ。彼の家に泊まることになるクソ野郎の中尉ボネは、彼の妻に色目を使い明らかに狙っている様子を隠そうともしない。

Shame on you!
Fucking German whore! ドイツ人の女め
私のタバコだと言った、妻の贈り物だと。いつかまたあなたと出会う、兵士としてではなく。私と気付かないでしょう
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