ハレルヤ

チリ33人 希望の軌跡のハレルヤのレビュー・感想・評価

チリ33人 希望の軌跡(2015年製作の映画)
4.0
チリの鉱山で落盤事故が発生し、33人の作業員たちが避難所に逃げ込むも脱出出来ない状態になる。彼らが救出されるまでの69日を描いた実話ドラマ。

11年前に実際に発生した事故。僕もこの事故はニュースでも大きく取り上げられていたのでよく覚えています。その実態までは詳しく知りませんでしたが、本作では事故に遭った作業員と救出にあたる人たちの様子をしっかりと捉えています。

こういった状況下で一番大切なのは結束力。33人が全員無事に救出されたのも、秩序が大きく乱れなかったからでしょう。限られた食料の分配や些細な事からのトラブル。小競り合いがあってもすぐに収められたのは大きかったと思います。

映画としても作業員の中心人物であるマリオを演じていたアントニオ・バンデラスの存在も大きかった。彼がいるかいないかで、作品の印象は大きく違っていたでしょう。

作業員たちの姿に加え、彼らの生還を地上で待つ家族の姿。救出作戦を展開する政府と地上のチームの人々。複数の視点から一連の出来事を描いているので全く飽きませんでした。

最初は掘削について知識も経験も全く無かったあの若い鉱業大臣が、救出作戦を絶対に成功させるために必死に現場を指揮して、現場監督とも絆を深める様子は個人的に気に入ったエピソード。

結果は分かっていても前半の崩落シーンの迫力と恐ろしさは凄く伝わりましたし、最後まで気が抜けない救出の様子も緊張感が途切れない見事な見せ方でした。

落盤事故の怖さが身に染みてくる作品でしたし、いざ自分が似たような事態に陥ったらどう行動すべきか。その教訓の1つにもなりました。
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