るふり

葛城事件のるふりのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
4.0
すっごい良かった!!いや、良くはないんだろうけど笑。

序盤からずーっと不快感が続く感じの映画。一方でギリギリのギリでチャップリンの『人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇』という感じの映画でもある。特にBGMが流れるシーンはフィクション要素が強くなる分、ちょっと笑ってしまったところもある。

とはいえ、少しでも近づくと、まぁー誰に感情移入すれば良いのかも分からないし、一つ一つの演出、演技、撮影技法に至るまで、いやーな感じを凄く的確に表現している。本当に上手いんだと思うし、監督の胆力というか、絵的な派手さがみられない中、良く撮りきったと思う。

全て凄いけど、やっぱり主役の演技および周りの雰囲気は特筆に値する。フルスイングで暴君というわけでは決して無い…が的確に嫌なツボを突いてくるというか笑。テキストで指摘すると、ホント細かいところなんだけど、映画・映像として観ると本当に嫌なツボ。凄いと思う。

内容そのものはカタルシスもないし、好みによっては拷問のような映画だと思う。んだけど、ここまで突き詰められると個人的には賞賛するしかない。海外だけどミヒャエル・ハネケの映画に通じる気がする。

『嫌な気分になる』ことは保証できる。観るか観ないかは自己責任で笑。
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