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葛城事件のmememamaのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.9
加害者視点から見る映画。
マイホームを建て、理想の家庭を築いた筈だった……
どこからボタンを掛け違えてしまったのだろう……
理想を求める父、その父に逆らえない母。
本音を押し殺す兄と、兄を嫌悪する弟。
決して稀有な家庭では無い、むしろ日本ではよくある家庭の状況だろう。

だから尚更戦慄が走る!
我が家はどうだろう…と…

この家庭に欠けているかも知れないと感じたのは、手料理…親の作る暖かい料理。
いつも市販の弁当を食べていた…
母親と息子達の会話の中に出てきた最後の晩餐には何を食べるか?の話で、唯一手作り料理を挙げたのは、母親だった。
「おばあちゃんが作ってくれたちらし寿司」
もしかして、母親自身も母の手料理の記憶がないのかも知れない…
だからと言って、このような家庭は至る所にあるだろう…
兄の自殺や弟の無差別殺人に繋がってしまった紙一重の差は何なのだろう…

答えなど見つからない、答えなど誰も分からない、だから途轍もなく怖かった……
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