梅村

葛城事件の梅村のレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
4.5
人間が孤独でいることには意味があるんだと感じた。家族とはいえ他者は他者。他者と関わろうとするからカオスになる。カオスを上手に昇華できない人は社会に一定の割合で居続けるのだと思う。カーストがある限り底辺はなくならないのと同じ。入れ物の中で入れ替わるだけ。社会的動物として生まれた人間の、全体の代償みたいなものなんだろうと思う。でも、孤独を受け入れることには、そういうのをセーブしたり和らげてくれる力があるように思った。

登場人物みんな狂っているんだけど、それぞれの狂った部分に、微かに共感させられる。自分の恐ろしい部分に気づかされ、突きつけられる。つらい。
最後まで衝撃的なお話で面白かった。俳優たちみんなすごい良かった。

いわゆる 底辺 とかっていやな考え方だし嫌いだけど、心の貧困ってどうしようもない。他人は救えない。もどかしくて悲しい。絶望的な気持ちになった。
梅村

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