ちゃんこなべ

葛城事件のちゃんこなべのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.5
無差別殺傷事件を起こして死刑が確定した葛城稔。父、母、兄。事件の背後にある家庭環境を描いた作品。

なかなかやった。
何の情報もなく見たので実際の事件を元にしてるとか知らなかった。
作中に「この人映画撮るの上手いな~~」って思うシーンがいくつもあった。(1番思ったのはカナブン)思わず監督の名前を見て、それでもあまりピンと来なくて。なるほど、その夜の侍の人ね。あっちは演出が大げさすぎる気がしてあまりハマらなかったんだけどコレは良かった。(良かったっていう言葉でいいのか分からないけれど)

でも、もうひと捻りあってほしかったと思うのも事実。
ちょっとだけ惜しいと思ったのが、死刑囚の妻になりたい女を出す必要性があったのかってこと。至る場面で出てくるけど物語の大筋にあまり関係ない立ち位置やし、あの女が何かをもたらす訳でもなかった気がする。

あとはラストが結局どうなったのか見た人に委ねるような要素が強いと思ったこと。分からん、あたしが読み解く能力が低いだけかもしれんけど、父親は結局どう思ったんだろう、最後までクズだったのか、改心したのかどうだったんだろう、あの家はどうなるんだろう、と思わず見た直後に他の人のレビュー見てしまった。でも結局よく分からなくて、というか正解なんてないんだと思うけど、それでもあたしは正解が欲しくてモヤモヤしてしまったのです。

変な話やけど、いつか結婚します。ってなった時に、相手にこの映画を見てほしいなと思った。
"一歩間違えたら、こんな家庭が出来上がる可能性がある"って危機感を共有しておきたいと思った。
んでこれ見てもらった後に「ぐるりのこと。」も見てもらおう、うんうん、「あたし、怒りながらバナナ食ってるかもしれんけど、そんな女でも勃ちますか?」って聞いておこう。んで「頑張って勃たせる!」と言ってくれたなら、あたしは、ニコニコしながらバナナ食う女になれるように一生懸命頑張るよ。

あれ、何の話だっけ。