チーズマン

葛城事件のチーズマンのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
4.0
救いの無さと切なさがじわじわと襲ってくる。
団塊世代の夢のマイホームである一軒家が『呪怨』の如く重くのしかかる。
けして楽しい話ではないのに、これがまた面白い。
2時間があっという間だった。

いわゆる悪人というのが誰もいないのがキツい。
葛城親父の金物屋から見える景色の狭さに、何十年もここに座ってたのかと思うとなんとも言えない気持ちになるな。

明らかに何か歪み始めてるのに目を背け色々と先送りにし続けた結果、なんでこうなっちゃったんだろうと思わずにいられない。
この葛城家族がたまに日本社会の縮図に見える時があるのも面白かった。


最高に最低な団塊世代の親父を見事に演じた三浦友和。
クソ親父っぷりが本当に素晴らしくしばらく俳優としてその印象が残ってしまいそう。
最近も劇場の予告の何かの作品で三浦友和が何か良さげな事を言ってたけど、どうしても“葛城親父のそれ”に見えてしまう。笑
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