葛城事件の作品情報・感想・評価

「葛城事件」に投稿された感想・評価

他人事のように思えない。
とにかく恐ろしい映画だった。
自分の中にこの映画の登場人物のような狂気がもしかしたらどこかに仕舞われてるのではないか、とさえ思ってしまう。
とんでもない凶悪犯。狂悪犯といってもいい。でも、その狂悪犯が成立した過程を描くこの作品を観て、他人事だと思える人の方が少ないのではないか、と思う。
それがこの作品の説得力にして、おぞましい所だ。

近年、「家族」を問うドラマや映画は増えた。星野源は「Family Song」をリリースした時に、「これから家族のカタチはどんどん変わる。今までのようなカタチ以外のものも出てくる」と話した。
そして、この物語は紛れもなく「葛城家」のお話。必死で「良き家族」であろうと、体裁を保とうとする父親。全員の間をうまく取り持とうとみんなに気を遣い、壊れないようにする長男(新井浩文)、否定と攻撃により居場所も自信も全てを失った次男若葉竜也)、その次男を理解しようとすることで自分の優しさを見せようとする母親(南果歩)。全員がそれぞれの意図を持ってて、またその意図によって結局は苦しんでしまう。母親は父親を大嫌いと言ってしまえば関係は破綻するし、父親は子供達に勉強しろと言ったり、色んなことを言ってきた。それは優しい言葉で言えばアドバイスだが、一般論でしかなく、それが正解に結びつかない子供もいる。なんか、最終的に死刑囚になる次男の肩を持ちたくなってしまう自分に驚くんだけどさ。あと、長男が、次男と比べて自分がしっかりしないといけないってところをプレッシャーに感じて、悩みを言えず弱さを見せれなくて悲劇的な末路へと足を踏み入れてしまうあのさまも、もう苦しくて仕方なかった。
家族という共同体は厄介で、生まれた時から関係が始まってしまうから、長年で構築されてしまう部分もきっとあって、その「歴史」を変えることってすごくエネルギーがいるし、反発にもなりかねない。実際、父親は「歴史」という言葉を用いて、20年常連の中華料理屋の麻婆豆腐が辛くなっていたことに激怒する。歴史を動かすことってとてもめんどくさい。だからこそ、母親があの家から飛び出して一人暮らしをして、そこに次男が通うのは当然。だが、それも父親と母親・次男の対立、もしくは父親の孤立をかわいそうに思う兄がその優しさ故にその機会を奪ってしまった。全てが裏目に出てしまう。それはもう、コミュニケーション不足が原因としてしまえばそれまでなんだけども。やっぱり、家族でも苦しい時ってあるんだよ。それを言うのアリにしようよ、とか思った。うん。
この映画に出てくる「家族」の中でやはり異質なのは、次男・稔(若葉竜也)と、死刑制度の廃止を訴えるために実ると獄中婚をした星野(田中麗奈)。この2人を家族としておいた事がとても重い。死刑制度廃止のために稔をある意味利用しようとする星野の方が、ひょっとしたら、稔を救うことが出来たのかもしれない、と思う。それは出会いが遅すぎた(そりゃ、星野は死刑囚になった人間と結婚することを目的としてるから)。その逆説がまた悲劇的だ。
その星野に対して、最後に家族で暮らした家でもう孤独になってしまった父親が放った言葉こそ皮肉で本質を貫いた。
「3人殺すから家族になってくれ」
その発言の直前に力ずくで星野とセックスしようとしたことと、映画前半で星野のやっていることはオナニーだと唾棄したことがリンクしてる。そして、星野に対して次男・稔が「女性ってオナニーするの?」と聞くこともまた、結局は家族を感じずにはいられないから不思議。

この稔の役をオーディションで勝ち取った若葉竜也はすごいし、舞台の時に稔をやり、今回兄の保をやった新井浩文の存在は大きい。南果歩の演技はもう繊細でおぞましい。でも、やはり、三浦友和の存在感と覚悟がなければこんなにも心に残る映画とはならなかったのではないか。。。

すごかった。
chisato

chisatoの感想・評価

3.6
ディーンフジオカが昔やってた凶悪犯罪事件の映画が学芸会レベルだったら、百倍まし。リリイシュシュのすべてとか、冷たい熱帯魚とか、そう言う暗い邦画を思い出す。とことん暗い邦画って素晴らしいなあと思う。前半事件が起きるまでは面白かったけど、後半は遺族しか焦点当たらないからあんまり。ラストも逆がよかった。

こんなに崩壊した家庭って存在するんだよね。この映画をみると、性善説が正しいんじゃないかと思ってしまう。人を悪くしてしまうのは環境、周りの人間の影響。私も欠点や弱みがあるけど、それも何か経験があるから。

三浦友和のクズな中年男は乾き。の役所広司を思い出す。それでも、山口百恵とのゴールデンコンビ時代のイケメンぶりは忘れちゃいけない!

田中麗奈はどうして熱狂的死刑反対主義になったのか、その過程が知りたい。
重くて苦しい話だった…。
自分の理想とする「普通の家族」でいることがどれだけ難しいか考えさせられる。
この家族一代限りの問題じゃないのだろうと思う。親がいて、親の親がいて、攫えなかった澱はどんどん溜まっていってしまう。
家族神話に呪われてどこにもいけなくなってしまう。
誰も責められないと思えるのはこれがかろうじてフィクションだから。
めちゃくちゃつらい話だった。
なな

ななの感想・評価

3.8
怖い、怖い…。
BGMがクラシックで優雅なのも怖い。

次男の妻になった女は完全に私の理解の範疇を超えていて不気味。
歪んだ家庭の中で、長男の保が一番苦労していただけにその結果がやるせない。
暴力的で横柄な父親、何もできない母親、口だけで何もしない子どもなんて探せばどこにでもいると思う。
パッと見ありふれた家庭だけど長年の積み重ねで大きく歪んでいくんだろうな。

崩壊していく家庭を演じる俳優の皆さんの演技力がすごい。
chnhmn

chnhmnの感想・評価

3.7
家族である地獄。難しいテーマ。
どこにでもありそうな家庭。一歩踏み外せばどこの家庭にも起こり得る事なのかも知れない。
Tomoo22

Tomoo22の感想・評価

3.5
なんというか、地獄絵図。
自分の家族を振り返ってみても、そんなに遠くの話じゃない。

誰にでも間違いをする事はあるけど、自分のプライドとかを優先して大切な事を後回しにしていたら、こんな風に家族なんて崩れ去ってしまうんだろうな…
胸糞悪い。
星野順子(田中麗奈)が最後までよく分からなかった。一番狂気かも。
観るのに覚悟が要りそうで、ずっとNetflixのマイリストに鎮座していらっしゃいましたこちらの映画。
「冷たい熱帯魚」を観て以来、タガが外れたかの様に鑑賞!わかっちゃいたけど、暗い暗い暗い!

素晴らしいのは、人の心が壊れていく様を一人一人忠実に描いている所。

父、葛城清(三浦友和)。マイホームを持つ事=一国の主人(あるじ)となって家族を守る事が信念。決して自分が間違っているとは考えず、力で家族を支配する。

母、葛城信子(南果歩)。食事はもっぱら出前とコンビニ弁当。清の支配下で思考停止しており、夫を愛していない事に気付く。

兄、葛城保(新井浩文)。良い学校、良い会社、父の言う通りのレールに乗って聞き分けの良い子どもだったが、リストラの憂き目に遭うも、家族に言い出せずにいる。

弟、葛城稔(若葉竜也)。引き篭もりのニート。人生、一発逆転させる事を夢見ている。父からの抑圧にフラストレーションを溜めている。

見事だ。
家族全員が少しずつ歪み、壊れていく。
そして稔が起こしてしまう、無差別殺傷事件。

この映画は、人の心の壊し方を丁寧に見せてくれる。何処にでもいそうな家族達が堕ちていく。

三浦友和のクズっぷり演技は流石だ。この人、本当にMr.インクレディブルか!?

しかし、この映画で本当に気持ち悪いのは清でも稔でもない。以下、ちょっとネタバレ含みますので、未見の人はturn back,please.















誰が一番気持ち悪いって、田中麗奈演じる星野順子に他ならない。死刑反対論者の彼女は見ず知らずの稔と獄中結婚を果たす。稔は愛を知らずに生きてきた。自分が愛せば稔も変わる筈。自分の罪とも向き合う筈だと。

えーと、意味プーなんですけど。

彼女の語る愛に1㍉も共感出来ず、ただただ理解不能。
狂気に映る清や稔は、まだ理解出来る。
共感は出来ずとも理解は出来る。

しかし、星野順子の脳内は独り善がりなセオリーで勝手に稔を救えると信じ切っている。毒々しい色のお花畑が彼女の脳内に広がっている。

「凶悪」において、山田孝之演じる記者が観衆の代わりに目となって耳となって事件を追うのは良い。僕らは彼を通して事件を追体験し、恐怖し、気が狂う疑似体験が出来る。

しかし、本作における星野順子はその役目を果たしてはくれない。

終盤、何もかも失った清が順子に襲い掛かり、「家族になってくれ」と懇願する。「俺が3人でも殺せば俺の妻になってくれるのか?」と。順子は驚き、軽蔑の眼差しで「貴方、それでも人間ですか!?」と声を荒げる。

いやいやいやいや。
それを言うなら、貴女こそそれでも人間ですか?

加害者家族の生活と心にズカズカ入り込んで、自分勝手な愛に陶酔している。清の理論は間違ってはいない。

殺人鬼を理解するより理解し難い、この宇宙人みたいなキャラクターをどう捉えて良いかわからず、この映画の捉え方までぼやけてしまった。

三浦友和、若葉竜也、南果歩、新井浩文、葛城一家を演じた彼らは素晴らしかったし、ラストシーンも良かったのに、実に勿体ない。

邦画の鬱っぽさって凄い。
湿気が凄い。
次は…ヒメアノ〜ルかな!
出来れば、頑張って、いつかは、観たいです。
救いのない内容💦
それほど無茶苦茶な家庭ではない分リアル。三浦友和が怪演✨
jinko

jinkoの感想・評価

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DVD鑑賞
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