ダイセロス森本

ファントム・ヘイロー(原題)のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

3.3
DV親父のもとで暮らすTBSとその兄。
町に繰り出してはTBSが一人芝居やスピーチを披露し、それに聞き入っている通りがかりの人たちの後ろを影のように歩きながら財布を掏る兄。
こういうスリがあったかと、初めて知った技だった。

帰宅して、得た収入はすべて父のもとへ。金をよこせと暴れる父、アル中でギャンブル依存。絶望の中に暮らすふたり。
TBSの唯一の楽しみは「ファントムヘイロー」というコミックブック。しかし父はこれを「ゴミ」と言い、大切な彼の逃げ場まで奪う。

母は死んだと聞かされているが、ふたりはどうやら納得行かない様子。殺された?まだどこかで生きている?。

お金がなければ生きていけない。父親に殺されるわけにはいかない。兄は弟のTBSを学校に通わせたい。しかし父親は「俺が教えているから学校なんて必要ない」と怒鳴り散らす。

そしてふたりは不のスパイラルへはまっていく。弟をせめて良い方へと考えたんだろうが、偽札ですべてを解決しようとする兄。そして出会う悪だくみの仲間。女。
次第に兄は欲に埋もれていき、弟のことなど考えなくなる。

父は多大な借金を多方面からしているようで、ある日ひとりの黒人に襲われる…

今書いたこと以上のことが起きる映画。ほんとうにひたすら不幸、不幸、不幸。なんだこれと、こんな人生あっちゃいかんと思うくらい悲しい。

しかし最後笑。ちょっとどころか大分カオスが過ぎる!!!!笑
面白かったけどどうなんだかよくわからない、しかも最後はみんなあっさりすぎないか?と…ちょっと色々不思議だけど、よかった…?よかったのか??