来夢

ボーダータウン 報道されない殺人者の来夢のレビュー・感想・評価

4.1
実際の事件に着想を得た作品ってことだけれど、その事件ってのが事件っていうレベルじゃなくて震える。発表では300うんじゅう人だけれど、実際には5000人くらい殺されているっていう。さらにそれが宗教的な対立とかそういうのじゃなくって、女性をターゲットにした強姦殺人っていうからなんていうか、怒りを通り越してどういう頭でものを考えたらそんなことができるのか到底理解が及ばない。どこまで信憑性がある数字なのかわからないけれど、300人だとしてもありえんでしょう。1人でもありえんけれど。で、そんな事件を題材に描いた本作。大スキャンダルを追う女性記者と奇跡的に生還した被害者女性が犯人を追うっていうわかりやすいサスペンス映画的構図。映画としての盛り上がりには欠けるところもあるかもしれないけれど、やり過ぎると根底にある事実が薄れてしまうってことを考えると、ここらがちゃんとメッセージ性をエンタメよりも前にだしつつも、映画としての面白さもしっかり保持できるギリギリのバランスなのかな。しっかり重さも感じられるから、この映画を観て何も感じなかったらそれはちょっとヤバいよね。あんまりこの映画知られていないような気がするんだけれど、こういう映画はもっと広がって欲しいね。
映画館で観た当時も事件を少しネットで調べてみたらあんまり記事がなくて、関心低いのかなと思ったけれど、10年以上たった今の現状が気になったので改めて調べてみたところ、特に記事が増えてるわけでもなく、少し悲しくなりました。
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