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ミューズ・アカデミーのskm818のレビュー・感想・評価

ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)
3.7
登場人物全員が全編理屈っぽいことを喋り倒していて途中眠くなったが、だんだん人間関係がきな臭いことになってきて、目が離せない展開に。本妻が夫の愛人をカフェに呼び出してマウンティングってバルセロナではフツーのことなのでしょうか汗汗。
主人公の大学教授はダンテを題材に恋愛や詩的霊感の源泉について熱く語り、主にジェンダー意識について学生たちに盛大に突っ込まれながらも一部の女子学生を魅了しているのだったが… いやこれ結局授業で妻より若い女をナンパしたいだけなんちゃうか? しかも隠さず開き直ってる。さすがイタリア出身(偏見)。
学生の方も教授のこととは別に好きな相手がいたりもして、この人たちの倫理観はいったいどうなっているのだ?と思ったりするが、その手のことが芸術的実験という理屈で正当化されているのはヤバい。教授の言うことを間に受けて真面目に詩を作ってダメ出しされてるぽっちゃり系女子かわいそう。
愛とは本棚を共有することだという教授の名言はなるほどだった。西洋映画に時々ある、別れる時に本棚から自分の本だけ引っ張り出して持っていく行為というのは、2人の関係的にも決定的な何かなのだろうな。
これ多分ダンテの神曲読んでたらもっと面白かっただろうな。真面目に読んでないのが悔やまれるところだ。
車のフロントグラス越しのハレーション入った映像や道行く人の映り込みなど映像も美しかった。
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