ルッキオ

お父さんと伊藤さんのルッキオのレビュー・感想・評価

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)
4.3
主人公、最後まで受身だったなあ。
親を引き取るのも見送りも。
一人の人物の成長物語としては破綻してるけど、実は、そこが現代的で感情移入しやすかったりします。
少子化だったり就職の問題だったり貯蓄の問題だったり。
すべてにおいてモラトラリアムな現代っ子。
ラストも解決してない終わり方ではあるけど、自分に置き換えたら身につまされるからやっぱり感情移入しやすいわけです。

あと、やっぱりこの映画を救ってるのはキャスティング。
ただの偏屈ジジイになりがちなところを、藤竜也さんのあの口調と愛嬌が最高にたまらない。
イヤ味なキャラになりそうだけど、力の抜け感が抜群なリリー・フランキーの説得力。
上野樹里ちゃんも超自然で良かった。

時代も背景も違うけど小津安二郎の映画を観終えたような感覚でした。(父と娘の話という意味で)
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