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お父さんと伊藤さんのpanpieのレビュー・感想・評価

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)
4.0
男女の仲は不思議なものである。
うわ、キモ!とまでは思わないまでも全然見た目がタイプじゃないと思っていたのに案外喋ってみたらそのギャップに驚かされ嫌いと思っていた人程知れば知る程強烈に好きになったりする。
酔った勢いで意気投合したりとか、あったりする。笑
ちょっと分かったりする。笑

でも今作ではかなり強烈だ。
年の差20!
お父さん74歳、伊藤さん54歳、娘34歳。
普通に考えたらあり得ないのだけど案外一緒にいて心地良かったりツーカーだったりするのは年は関係ないのかもしれない。
私は結婚前に同棲した事がないのでこの妙にしっくりきて居心地の良い感じは経験がないのだけど同棲なんて男に都合のいいものだと鼻から思い込んでいた。
なんか観ていてとても伊藤さん役のリリーさんもあや役の樹里ちゃんも自然〜!
相手を知る手段としてまず住んでみるのは相性を知る上で案外良いのかもしれないと思ってしまった。
でも娘が同棲したい人がいるって言われたら、うーむ、どうしよう…

とんかつを食べる時にウスターソースがないと怒るお父さんに伊藤さんは風呂上がりにもかかわらず「僕、買ってきます」と腰を上げる。
これって若かったら出来ないよね?
何このジジイ!と思うのが関の山でこれって流石に54歳設定効いてますね。笑
そして「悪魔の中濃ソース、文明人ならウースター」は笑っちゃいました。
私は気にしぃで気を遣いすぎの性格の為樹里ちゃんの様には出来ないので羨ましいです。
まぁうちのお父さんはあんな感じの人じゃないので同じシチュエーションになる事はないけど。
でも考えちゃいました。
お母さんが先に亡くなってお父さん一人になってこんな事も起こるのかもしれない。
私達がまだ子供でその頃の親には責任があるけれどもうその子供達も立派に大人になって子供の時と別の固体になってしまったと親は思うだろうな。
大人になって親元から離れてまた一緒に暮らすってやっぱり難しいのかな。

ボーリング、リリーさんマジでうまい!
隣のレーンの子供もストライクを出してガーターばかりのお父さんは面白くなさそう。
伊藤さんが帰りに立ち寄るホームセンターでお父さんが伊藤さんに心を開いていくシーンいいなぁ。
怖い役が多いリリーさんのこんな役なんか久しぶりに見た。

藤竜也はハードボイルド系二枚目俳優のイメージだったので年取ってからあまり見たことなかった。
元教諭だった感じうまく出てた。
「〜なんだな」て話し方にやにやしてしまう。
上野樹里ちゃんはズケズケものを言う感じが役にとっても合っていて良かった。
樹里ちゃんショートがよく似合っていて私も伸びてきたから髪を切りたくなっちゃった。


ここのとこ何となく鬱っぽい自分に気が付いていました。
風邪が治らないから鬱っぽいのか鬱っぽいからいつまでも風邪が長引いているのか分かりませんがとても悪循環です。
昨日フォローしている方のレビューを久しぶりにゆっくり読んだら「お父さんと伊藤さん」をClip していた事を思い出してなんとなく観始めました。

私にも年老いてきた両親がいてまだ元気ですけど考えないとならない問題でありまして直面する事から逃げている様に思います。
子供の立場で考えがちでしたが親がどうしたいかと考えてなかったです。
そこの大事な所に気付かせてくれた今作。
お正月に実家に行くので飲んだ勢いで両親と話し合ってみようかな。
ほっこりしたしなんか大切な事に向き合わせてくれた映画でした。
リリーさんみたいな人だったら許す!って思いながら娘を見てしまいました。(^^;;
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