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ハッピーエンドのharukaのネタバレレビュー・内容・結末

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

自身の死を望む祖父は、所謂、世間的には同情すべき存在であろう13歳の孫に、まったくと言っていいほど関心を示さない。いくら聞いても、年齢すら覚えようとはしない。自身の記憶力の衰えもあるだろうが、おそらく興味というものがない。
そんな彼が、彼女に初めて長く語りかけるのが、彼女が自殺未遂をしたことにより、彼女の過去に興味をもったときである。彼女の性質というものに、気がついたから。自分の願いを、恐らく唯一叶えてくれる人物だと。
ミヒャエル・ハネケが、『ハッピーエンド』とタイトルをつけて撮る映画、どんなものかと思っていた。彼と彼女のハッピーエンドについて考える。
彼は、死にたかった。彼女は、人を殺すことをなんとも思わない。むしろ、動画を撮れたらラッキーだ。あれは、達成されていれば、2人にとってのハッピーエンドだったのだと思う。

主軸となる家族が、ほぼほぼ割りと同情できない人が多いので、ある意味、なんの感情移入もしないまま、傍観者として観ることができる。エヴは、そんな家族に現れた、真の意味で良心を持たないモンスターである。
エヴの着ていたTシャツが、なかなかにショッキングなんだけど、あれはわざとでしょうかね。悲しいかな、恐ろしいかな、彼女のような人間は存在するんだろう。
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