猫

ハッピーエンドの猫のレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
3.8
家族の物語。
三世代、それぞれのゼネレーションギャップみたいなものを感じた。
出来のいい母に苦しむ息子。
老いを何ともできず何とかしようとする年長者。
そして一番陰(かげ)を抱えていたのがエヴ。冒頭の動画からすでに陰鬱。怖い…
でも彼女なりの不安脱出の手法だったのかもしれない。
何故にこの題名?
誰にとってのこの題名?
出てくる人物それぞれについて振り返ってみる。
幸せな終わり方は誰?もしかしたら祖母の事だったかも?→『愛、アムール』を連想…
事故の賠償問題にせよ、完璧に脇を固める家族達に少しだけ息が詰まる。その完璧さに対して
バランスをとっていたのがピエールの存在だったような気がする。

『セブンスコンチネント』や『ピアニスト』の頃のハネケが懐かしい。
牙を奥にしまい
近年は、不穏さを反芻させる手法を用いているような気がする。
この作品も何も考えなければ、
だから何?という作品になりうるかも…
観客に考えろよー!
と、その意味を解かせる為の題名なのかも?
あーあ、ハネケだ。

 2018.03.11 伏見ミリオン座にて鑑賞
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