ハッピーエンド、みた。交わりそうで交わらない家族の秘密、それぞれに抱える孤独は、SNSやネットで発散される。冷めた距離感で捉える固定されたカメラワークと緊張感をはらんだ長めのカット割りは、独特の不快感を醸し出す。と、同時に眠気を誘う(ちょっと寝た)。なにがハッピーエンドなんだ!!
どん底に突き落とされ、もう絶望するしかないだろうみたいな、そういう類の不幸ではないのが面白い。どちらかというと、じわじわと心の中に闇を溜めこんでいく類の不幸。だから怖い。病んだまま、気持ちを切り替えるタイミングもなく、徐々に衰弱していく。
心のどこかが変になっちゃったまま、人生は進んでいく。なにも解決しない。蓄積した毒素は、スマホやPCの画面の向こうに吐き出す。表向きは正常なまま生きられる。ハネケ監督、相変わらず嫌な話をつくる監督だ。ハッピーエンドという挑発的なタイトルをどう解釈すればいいのか、考えても答えが出ない