あざみ野

ハッピーエンドのあざみ野のレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
4.5
ハネケ監督の他の作品に比べると、本作はわかりやすい気がしました。

主人公エヴ、父、父の再婚相手と子、祖父ジョルジュ、叔母、叔母の息子、使用人一家が主な登場人物です。

この中に誰も悪い人物はいないのだけれど、それぞれの内面の薄さ(祖父を除く)、劣等感、裏切り、ネット依存などが描かれています。

飼い犬が使用人の娘の足を噛んだ時の叔母役のイザベル・ユペールの対応は、その軽さが皮肉な言い方になりますが、面白かったです。

祖父ジョルジュと主人公エヴのラストに繋がる二人きりでの会話のシーンは圧巻だと思いました。
若いエヴは孤独故に誰か(何か)を求めるけれど、ジョルジュが求めるものは・・・。妻の死以来ずっとそうだったんだなと。

ハネケ監督の「愛、アムール」また観たくなりました。
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