バルバワ

ハッピーエンドのバルバワのレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
4.0
「趣味?フッ…映画です( ´,_ゝ`)」とカッコつける為にハネケ監督の『隠された記憶』を観て「…ん?」となった中二の夏から私は大人になったかなぁと思いながら鑑賞致しました。←どうでもいい前置き

いやぁ、意地悪だなぁ…本当に人間は他人の不幸に寄り添えない一面はありますよね。大金持ちロラン家のお祖父さん、ジョルジュの「映像で見るのと目の前で見るのとは全然違う。」は正に映画を観ている我々に向けている台詞なようでかなり突き刺さりましたよ…イジワルッ(`口´*)ノ
また映像を通すと自分に降りかかった不幸やしでかした罪も他人事に思えてしまい逃避につながり兼ねないという危うさも暗示していて今の映画だなぁとも思いました。

というかロラン家の人々感じ悪すぎ!主人公のエヴをベビーシッター扱いする継母や金で物を言わせる叔母、変態な父…もう最悪!それに比例するように市民の民度も下がり、お年寄りに道を譲らない母子や黒人が店に入っただけでザワつく客達には鼻っ柱に一発ずつ正拳突きをお見舞いしたくなりました。本っ当に意地悪ね!

また所謂見せ場と言えるようなシーンは徹底して引いたショットもしくは映さないという意地の悪さも堪らなかったです。

少々中弛み(特にピエールを起こすシーン)を感じたのは事実ですが、最初から最後まで居心地が悪く、観てる側の神経を逆撫でする意地悪な映画ですし、結構説明が排除されている不親切な映画でもあるので劇場であればこそ集中して楽しめると思います。邦題をつけるならハッピーエンド(笑)かな!
バルバワ

バルバワ