暮色涼風

ハッピーエンドの暮色涼風のレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
3.5
多用されるフィックスの長回しのショット。
そのワンショット内での遅すぎる展開、ちょっとした事件や悲劇には、焦りを覚えるほど退屈にも感じる。しかし、それは画面の中で起こっているからで、実際に目の前で体験するのとは違う。
そのことと、祖父が話す"鳥がバラバラになるエピソード"は共通しているのだと気が付いたのは、エンドロールが流れ始めてからだった。
結果、面白い手法だった。

ハネケの性的観念は毎回胸糞悪くて好きじゃないけど、家族崩壊を題材にしたものの中では、けっこう良かった。

ハネケがハッピーなエンディングを描くわけが無いのだけど、この家族に至っては、このラストがハッピーエンドに思えてきたし、"人生の幸せな終末期"(特に祖父目線)という意味でも、こういう形がアリと思えてきて、不思議な家族だった。

幸薄い感じの娘・エヴ役が超可愛いから、ちょっと評価上がる。
暮色涼風

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