KnightsofOdessa

ハッピーエンドのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
2.0
[過去作を自己引用しただけのファン向け映画] 40点

まぁハネケだし絶対ハッピーエンドにはならないんだろうなとは思っていたが、実際やってきたのはヌルめのハッピーエンドで苦笑してしまった。カレーの大豪邸に暮らす、互いに全く興味のない富豪一家を描いているが、その興味の無さは映画にも感染していて、重要であろうシーンすら欠落し初動と結末を結びあわせているかのような速度で転がっていく。どうにかして死にたがる家長、敏腕ゼネコン社長の長女とその不出来な息子、前の結婚でできた娘を引き取った外科医の長男というアンサンブルは退屈な上流階級の生活をアイコンのように示しているが、それはラベル的な意味以外あまり役に立っていない。しかも、『ベニーズ・ビデオ』のような冒頭、『愛、アムール』の続編のような設定など過去作の要素を詰め込んだファン向けの映画の様で実に下らないし、往年の毒性の強い皮肉などはどこかへ飛んでいってしまったような、ハネケっぽい他の誰かの映画みたいなヌルさ。そして普通に迎えるハッピーエンド…
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