夜な夜な映画祭

ひつじ村の兄弟の夜な夜な映画祭のレビュー・感想・評価

ひつじ村の兄弟(2015年製作の映画)
3.8
アイスランドの広大さに魅了された。

幾重にも重なった時間の厚み中で生きる村人と、ひつじ。

ひつじを守る兄弟の姿は、過去から受け継がれた時間そのものを守ろうとしているかのように見える。二人は、個よりも遥かに大きなモノを背負って生きている。

それだけに、兄弟はひつじの病を受け入れられない。病が侵食したのは、兄弟が守ってきた歴史そのもので、個よりも遥かに大きな存在に寄り添う二人には、それを受け入れる手段がない。

スケールの大きな映画というのは、こういうことだと私は思う。