血縁と血統
生の営みを脅かす疫病
アイスランド、牧羊の村の老兄弟
独特の風土を背景に、穏やかな暮らし、降りかかる災難、チロチロとくすぶりながら時折小爆発する感情、心の機微を淡々と、どこかユーモラスに描いた良作
スチール写真としてじっくり鑑賞したいほど光やボケの美しいシーンがいくつか
カラーグレーディングが見事で明暗差のあるカットが特に美しい
音楽、よかった
アイスランドだけあって、弟のグミーはじめ演者たちがほとんどのシーンでセーターを着ていたのが印象的
仕事柄、以前はセーターで仕事をするのはご法度だったけれど、母親は手編みも機械編みも好きだったし、一緒に選んだ毛糸でセーターを編んでくれるガールフレンドもいたしで…アラン、ロピ、アーガイル、ケーブル、カウチン…いろいろ持ってたなと懐かしかった
両手に毛糸を通して手首を交互に返して…母や彼女の毛糸玉づくりを手伝うのは嫌いじゃなかったとか
スコットランドの片田舎をドライブしていて羊の群れに通せんぼされた時のお手上げな自分を思い出した…クラクション鳴らすのは違う気がして、車から降りてドードーいいながら近づいていって道を空けてもらったのだった
「ローグワン」のように形を切り取ったアイスランドもいいけれど、永瀬正敏「コールドフィーバー」のスピリチュアルなアイスランドが好き