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ひつじ村の兄弟のtaruponのレビュー・感想・評価

ひつじ村の兄弟(2015年製作の映画)
3.8
カンヌで「ある視点部門」でグランプリをとった作品。
私自身は、アイスランドが舞台ということに惹かれて鑑賞
(windowsスポットライトで表示される画像で、すごく好きと思うとアイスランドの風景であることが多々あって、アイスランドへの興味が高まっていた)
アイスランドの片田舎で、隣に住みながら40年来口も利かず仲違いしている老兄弟の羊愛にあふれる物語


若干、ネタバレ気味なので、ご注意くださいませ





まず、このこじれまくったグミ―とキディーの違いを描いていく様が興味深い。2人ともおそらくは60代~70代設定、2人とも独り者でだが、グミーは料理を作り酒もほどほどにていねいな暮らしの様に人柄が現れるし、対するキディーは無頓着で傍若無人な感すらある。2人とも同じように羊愛にあふれているが、羊に感染症が発生し、処分を迫られるようになった時の対応も異なる。後半に示唆される仲違いの原因もこういうところの積み重ねにあるんだろうなということが良く伝わってくる。

そして、本当にこじれにこじれまくっている2人だからこそ、最後に羊のために団結する様子がストンとおちる。
彼らにとって、羊が、彼らが親の代から引き継いできた純血種のこの羊たちが、どんなに大切なものであるかがわかるから。

ラストシーン、あの後はどうなるんだろうか。でも、現実を前に最終的にはどこにも行きようがないとすれば、あの最後はある意味最高にハッピーな幕切れなのかもしれない。


羊が本当に可愛かった。国全体で人口の4倍いる羊。羊が彼らの生活に本当に深く根差していることが伝わってくる。毛並みもすごくきれいで、良い毛がとれそうだなぁって思う。
兄弟がまるでおそろいの様に来ているノルディック柄のセーターもすごくあったかそう可愛かった。
期待していた風景もよかったです。
アイスランドは寒いから、木も少ないんだよね。そしてこけに覆われた大地。荒涼としているよね。
シャベルカーで人を運ぶとか、衝撃の場面も多かった(笑)
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