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パリのナジャのooospemのレビュー・感想・評価

パリのナジャ(1964年製作の映画)
5.0
これを観てやっと解りました あのね、どうしてロメール映画にこんなに惹かれるのかって彼の物語の住人たちはね、「勉強」を愛しているんです、知を、愛を持って尊ぶの(それもずる賢く生きるための知識でなく、豊かに考え生きるための知をね)!
そしてフランスの自由を。みずみずしさの塊なんです、ロメール映画って、だからなんだね。

暮らしを、生活そのものの自由を何よりも愛そうとするひとたち!なんてことないパリの日常をこんなに魅せられるって…そういう凄さだったんだね!……『居心地が良すぎて出不精になる。勉強と娯楽に必要なすべてが手元にある』おお幸福よ…今作のヒロインのナレーションより〜…。
大学都市に住む外国人の留学生のヒロイン、勉強と、なににも足枷かまされない自由な時間を生きるヒロイン! 美術館、"理性的な"公園("川もコンクリートも人工だが構わない")、画家との対話("彼らの話は興味深いが大して影響は受けない")、ただ座るためだけに座るキャフェのテラス、プルースト論を準備するということ…… そしてぶらぶらと歩いて、『こういう時期にこそ、ひとは人生を構築するのだ』とありのままを客観視することもできる強かさ、自由の身を最大限幸福に生きるということ、そう、こういうことだよ…、理想の学生って!
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