浅野公喜

ガタカの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
2.9
遺伝子によって人生が決まる未来、劣性遺伝子を持つ男が宇宙に行くという夢を叶える為に努力するSF作品。高い評価の声が多いのですが、個人的にはそこまで・・でした。

今作で描かれる近未来はかなりスタイリッシュな世界観であり、起伏も少なくドラマとしては淡々としており主人公の苦悩やコンプレックス、努力といった所謂「汗」のようなものが余り伝わってきません。また、主人公は世界の多くが共有する一般的価値観においては劣性どころか優性遺伝子を持ってそうな顔も体格も整ったイーサン・ホーク故に感情移入の対象になりにくく、彼から「努力すればなんとかなる」というメッセージを掲げられても「いや、あなたなら少しの努力、あるいはそこまで努力しなくてもどうにかなるでしょ」とツッコミたくなる始末。

おそらく自分がどうかなと思う要素が一般的にはむしろ魅力と捉えられると思われますが、それはつまり世界観や雰囲気、キャスティングでかなり救われている作品にも正直感じ、欠点を持ってても努力して夢を叶える、というのが今作の一つのテーマなら自分はダサくても汗臭くても少年ジャンプ的世界観の違う作品を好むタイプかなと思いました。

でも、登場車種はスチュードべーカー・アヴァンティ、シトロエンDS、ジェンセン・インターセプター、ビュイック・リヴィエラとどれも一癖ある車ばかりでここらへんのチョイス等は評価してますし、アンドリュー・ニコル監督が脚本を担当した「トゥルーマン・ショー」は好きな作品の一つです。
浅野公喜

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