足らんティーノ

ガタカの足らんティーノのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.0
この作品の唯一の欠点は、イーサン・ホークが遺伝的欠陥を持ってる人間に見えないこと。

第二次世界大戦の教訓から優生学を忌避し、個性を尊重する現代にあっても、個人においては誰かよりも優れていることや才能があることを求め、劣っていることを卑しむ。
それは生物としての基本的な反応かもしれないが、優生学は平等性を補完し病気や苦しみから解放することが目的であり、専ら差別や不平等を助長する為に用いられてはならないし、人の選別を目的とした優生学的措置によって恣意的に「不適」と歪められるべきではない。


SFの面白さはどれだけ細部まで世界観が確立されているかにあると思うので、その点においては非常のクオリティが高いし、サスペンスと恋愛の主張が強くないのも、そのコントラストがはっきりしてよかった。

ユマ・サーマンとディナーに行って、取締りから逃げた場所で、イーサン・ホークが白状しようとすると「言わないで」って、全部分かったのかと思ったけど、そうでもなかったのか。

文系だからうろ覚えだけど、エンドロールでG、T、C、Aの文字が強調されてて、ガタカがDNAの塩基の頭文字であることが分かった。

2021-191
足らんティーノ

足らんティーノ