LUXH

ガタカのLUXHのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.6
I like it!!監督が脚本も手がけているとのこと。CM監督としてのキャリアで培ったのか、スタイリッシュな冒頭でもぐっと興味を持っていかれ、とてもよい導入だ。2時間の尺を悠々と残し、開始30分でSF近未来の十二分な映画の世界観を理解できる。コンタクトが起承転結としては同じパターン。社会との葛藤が描かれ、念願の宇宙に行くまでの映画。

近未来では夫婦揃ってクリニックへ。モニターでパーフェクト遺伝子を持った選りすぐりの受精卵が映し出され、ドクターは「4人いい子がいます、男女どちらか決めなくては、目の色と髪はお好み通り、不健康要素は排除してあります、選ぶのはお二人ですよ。」「私達すべてを完璧になんて求めていませんの」「将来のお子さんのためです」と和やかなムードで画面のそれを見つめている。この社会が平和的倫理的に見える。

発症率、遺伝性、寿命までもが出生した瞬間から決まっている。こんな話題がテレビニュースのちょっとした時間にちょこちょこ出てくるようになってきたが、当時1997年の映画なんですね。本作は、自然分娩で温かな家庭を望んだが、子が転んでも出血してもハラハラし通し。遊び相手にと弟を望んだ時には遺伝子操作を選んだ。身長差や近眼など競争で弟に勝てない日々から幼少期で格差社会を悟る。DNAでの差別は法的には禁止だが、強い拘束力は持たない。履歴書を書いたところで挙動を疑われると尿検査、それが面接。ある日弟の競争に初めて勝ち(これは遺伝子劣勢を超えた大きな意味を持つ)、可能性の限界を諭され続ける家を出て行った。少年は遠い星へ行ってしまいたい。宇宙へ行きたいと言う夢を持ち続けた。

近未来な感じがする大掛かりなセットやファッションとか虚飾を撒き散らすことはせず、海の汚さ、淡々と生体認証を行う様、シンプルで統制された部屋、ピアニストの指の数、レストランにブルーの照明。ふーんブルーのLEDかあ安直かなーと思ったけどブルーのLEDは最近の発表ですからね。なかなかいい線をついていて。そんで外で飲むカクテルはやっぱりマティーニ。宇宙局「ガタカ」のヒロインが最高。完璧な容姿も振る舞いも中身も最高。で、実際これで結婚したんですってね。今は別れてしまったそうだ。手放すなよー!と正直思ったが、どちらもまたパートナーに恵まれたようでよかった。

先進的な社会でも人の心はとても通っていて。色んな友情や兄弟愛や夢が叶うことを応援してくれる人がいる。ロマンチックなささやき返しやシーンの繰り返しは郷愁を感じさせ、主人公の名前を叫ぶ刑事にはっとさせられました。ヒューマンが好きな人もきっと好きだと思います。劣勢に生まれても運命の引きと努力で可能性は広がる。元気を与えてくれる。

私は近眼0.03、難聴(キヌタ骨あぶみ骨を人工骨に変更済)、歯科矯正有、扁桃腺摘出手術済、脱臼が頻繁で膝の手術を勧められ、疲れのせいらしいが毎日慢性蕁麻疹。自律神経系を患ったりありえないといわれた合併症経験あり。ヒキの悪い私ですが、この映画はわくわくと心に響く部分もあって元気をもらえる映画でした。