ninjiro

ガタカのninjiroのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.0
見通しも効かない鼓動だけの世界。眼が開いているのかただ空白を認識しているだけなのか。何れにしてもそれは、幸せに満たされた抱擁、この身体が感じた幸せ、満たされた日々、溶け合った世界が法則を持って螺旋状に蠢き、いつどの瞬間も旅をする。旅する船には私がいる、旅する空間にも私はいる、旅する時間に私は知る、どんな瞬間にも無限は存在する。

光が当たれば僕らは僕らにとって大切なものを見逃してしまう。海の記憶、大地の記憶、火の記憶、追いかけていけばきりのない記憶の先端にいつもある僕の、覚えているのは小さな光が灯った一瞬。いつまで昔のことばかり思い出すのか?そんなに未練があるわけじゃなし。帰る場所なんてもうなくて、この先何に促される訳じゃなく、ただメリーゴーランドに乗って加速して、弾き飛ばされるように思い出のある場所へ。

子供を持つのが夢だった。小さな眼、僕によく似た瞳、今は愛が何かなんて知らない、でも、君は愛しか知らない筈だ。
僕と同じものを見て、僕にしかわからない気持ちを知って、いつか僕の事を嫌いになってもいい。僕の見たものなんかより、もっと沢山のものを見るだろう。あの日が戻らなくても構わない。もう戻ってこなくても構わない。君にもし魔法が使えるなら聞かせてくれ、遠い空の向こう側の話を。