オープニングクレジットとエンドクレジットのキャスト名に「GATTACA」の英文字が入っていれば、その文字だけ色を変えたり太文字にしたり…
しょっぱなから「遺伝子映画」なたたずまいの演出で小洒落ていますね。素晴らしい映画の予感がムンムンします。
ただ映画を観る観点によって印象が変わる映画かもしれません。
『夢追い人の成功物語』とみれば非常に陳腐で薄味。何せ成功の為の手段が姑息で感情移入が難しい。
対して、『ルパンと銭形』的な視野からみれば、捕まりそうで捕まらないドキドキ感がたまらない。
という事で後者の「スリラー」的鑑賞が正解だと思う。
自然出産と遺伝子操作。それぞれ生まれてくる子供を「不適合」「適合」と差別する近未来のお話です。
不適合者の不遇に目を奪われがちではあるのですが、適合者の「当たり前の成功」への重圧が見事に描かれていて本当に考えさせられます。
適合者ばかりならば、その中でも結局上下関係や差別が発生する。遺伝子操作したとて、今と何ら変わらない世界が続き、様々な差別が蔓延する事に警笛を鳴らす意味では深いメッセージがある映画でした。
僕は4流会社に勤める、低偏差値で高血圧で痛風でこの映画からすれば「不適合者」。
でもそれはそれでお気楽人生。酒飲んで美味いもん食べて自然体でいきたいと改めて思いました。
しかし、まぁ一流エリート企業への出社時、セキュリティ対策のため、会社改札ゲートで毎日毎日指に針を刺して遺伝子検査する様な世の中になるのでしょうか?
そんな会社には僕は絶対に入社したくないと強く強く思いますね。
でもまあ、「4流」の僕には関係の無いお話しなのかな…