Hally

ガタカのHallyのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.6
"風にさらわれた"

GATTACA。こんなにお洒落な映画タイトルがあるだろうか。遺伝子の塩基配列だ。G:グアニン。A:アデニン。T:チミン。C:シトシン。私たちのDNAの中の配列を構成する分子だ。この組み合わせで私たちの遺伝子情報は構成される。中学、高校で習った知識なので正確に突き詰めていくと多少違うが大体こんなもんだ。この映画を始めて知った時、丁度テストが終わり、生物のテスト範囲がDNAやRNA、塩基配列だったのでタイトルと設定を見たときにピンッときて衝撃を覚えた。すぐに見るわけでもなくいつかいつかで今まで見た事なかったがやっと鑑賞。早く見ればよかったよ。

才能というモノは残酷だ。才能は個性とも運命ともいい変えられるかもしれない。個人的に才能のというモノに縁もなく個性のない人間だ。その苦しさは、毎日ひしひしと感じてる。また才能のある人間の苦しみ、葛藤なども存在する事を理解している。イケメンにはイケメンの苦しみがある。そんな小さいレベルの話でもだ。この映画は、才能のある人間とない人間の苦しみが分かりやすく残酷に描かれている。また"ない"人間が"ある"振りをする。"ある"人間が"ない"人間になるのだからその残酷さが際立つ。葛藤、苦しみの描き方が抜群だと思う。台詞の節々にまで現れてきやがる。遺伝子が全てになった未来の世界を今から20年前にこんなに凄く描いている。私の語彙力では霞む。物語が進むにつれての引き込まれ方が凄かった。こんなお洒落なタイトルをつける映画なのだから台詞もいちいちお洒落に決まってる。遺伝子が全ての世界で"あれ"を風にさらわせる。またイーサン・ホークとユマ・サーマンだからね。キャスティングも堪らん。監督で脚本も務めたアンドリュー・ニコルは次の作品でこれまた名作『トゥルーマン・ショー』を脚本する。主人公は皆んな大好きジム・キャリー。彼が"風にさらわれた"と言ったとしても納得いかない。起きてミラーを見て映る車にもたれ座って強烈に絵になる男が彼ではなんか違うのだ。あの設定であのバックラウンドのキャラはイーサン・ホークしかあり得ないし、その相手はユマ・サーマンしかあり得ないのだ。だから二人は結婚する。まぁ別れたが。


この映画の凄さを更に昇華させるのはラストだろう。"ある"と偽る男と"なくなった"男。2人の結末に心震える。2人の男は最後に現実を受け入れた。ロケットが火を吹いて…。才能の有無など関係なく全てが燃える。何もかもだ。生物の始まりは宇宙の塵だから遺伝子の優劣なんて存在しなかったのだ。







下記からは、今作を見て再び感じた自分の思いを記したものになってしまう。個人的に見返す、うじうじとした気持ち悪く、構成も無茶苦茶な文章なので読む価値はないです(笑)
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私は自分が嫌いです。容姿や性格その他諸々。ネガティブな性格で他人と勝手に比較し、他人の評価を気にする小さな人間です。顔もブス。体型もよくない。頭も根が馬鹿です。この世を渡るために学歴はあって損しないと思って馬鹿な頭で必死に勉強したが根が根なのである程度の所までにしかいけませんでした。努力が足りなかった。その言葉で片付けがちだけど、努力が出来ることもある種の才能だと思う。その才能が少し足りなかった。自分が馬鹿だと幼い頃から強制的に理解させられて来たのでなんとかここまでの所まできたことに自分自身で納得してしまっている。たまにそんな自分さえも嫌になる。生まれながらに心臓に持病を抱え、幼い頃に手術して治しているので私生活に支障はないし、心臓の機能としては一般の人とほぼ同レベルだが一生完治はしない。毎年 大きな病院で診察をする人生みたいです。私と同じ病気でもっと重い子や亡くなってしまった子も沢山いるので生きてるだけで儲けもんなんだろう。ただ大学生になり"自分"がどんな人間なのか考えた時にネガティブな性格も相まって落ち込む事が多い。顔がイケメンに生まれればそれだけで世の中渡っていける可能性がある。生まれながらに才能を持てばそれで生きていける可能性がある。可能性であって宝の持ち腐れになるケースも少なくない。ただ自分には"これ"があるという"モノ"は大きな自信になると思う。それこそ思春期の時は自分にとっての"これ"が見つかってないだけでどこかにあると信じてた。ただその自信は大きくなるにつれて虚しくなってくる。今だに見つからないし、人間には必ずしも何か才能が備わっているとも限らないということを理解させられてきたからだ。幸い 才能なんて無くても生きていける世の中だけど、何か1つでも備わってて欲しかった。勿論これから見つかる可能性もあるだろうがもう無い気がしてならない。これで性格がポジティブだったのなら気にせず生きれたろうに。こんな人間なんです。自分に期待をして裏切られるのが嫌だから、自分はこんな人間なんだと言い聞かせることによって自分に絶望しないようにしている。思うだけじゃなく、何かに書き記すことによって発散して受け入れようとしている。そうする事で自分を保とうとし、自分を少しでも信じてあげるきっかけにしている。気持ち悪い人間です(笑)生物の始まりは宇宙の塵なのだから才能の有無など全く関係なく、肌の色、国籍、人種、思想宗教なんて全く関係なく皆 平等なのだ。さぁ 頑張ろう。
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