ゴン

ガタカのゴンのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.8
遺伝子学が発達し外見、知能、身体能力が優れた適合者を量産することが当たり前の世界。それはいくら努力して後天的にスキルを身につけても遺伝子が優良でないとゴミとみなされ人権がない。
まさに遺伝子第一主義の恐ろしい世界。
主人公ヴィンセントは非適合者であり、子供時代から適合者である弟のアントンにすべてにおいて劣っており、両親の愛情さえ満足に享受できなかった。
しかし、努力家のヴィンセントは宇宙飛行士になる夢を諦めきれず、元一流水泳選手のジェロームのDNAを買い取り、ガタカに潜入する。
環境が環境なのでついついヴィンセントを応援したくなってしまう。
夢を叶えるために腐らずまっすぐ前を向く姿勢に心打たれるはずだ。
一方かつてすべてを兼ね備えていたジェロームは事故で両足が不自由になったので自分の夢をヴィンセントの夢と重ねて懸命にサポートに徹する。
この少し距離感があり、クールに決めながらも内に秘めたる熱い友情を感じとれるのが素晴らしい。
そして事故の真相を知ると完璧超人に見えたジェロームに良い意味で人間臭さが加わり、映画史の中でも有数の魅力的なキャラクターになっていた。
キャラクターの魅力もさることながら、ストーリーも興味深い。
とある殺人事件から非適合者がガタカ内に潜入している流れになり、ヴィンセントは正体がバレないようにあの手この手で工作する。
これ切り抜けるの無理あるだろってシーンもあるがハラハラドキドキさせられた。
ラストまで綺麗に締めてて良い作品を見れたなぁと清々しい気持ちになった。

どんな人にもオススメできる渾身の一作。
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