しゆ

ガタカのしゆのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.7
あまりの衝撃とメッセージ性に胸を打たれる。
遺伝子を操作され、生まれる前から将来が約束された「適正者」と自然に生まれた、すなわち才能が劣り社会的に差別された「不適正者」をテーマにした近未来が舞台のSFスリラー。ではあるけど運命に抗うヴィンセントの姿やジェロームとの言葉を越えた友情、アイリーンとの恋模様など、ヒューマンドラマとしての側面も強い。昔から周囲や適正者の弟と比べられてきたヴィンセントは不適正者ながら、言ってしまえば夢のまた夢である宇宙飛行士を目指す。偽装がいつ発覚するか分からない静寂の中にあるハラハラ感と安堵がほどよいバランスで癖になった。
20年以上前の作品ということでテクノロジーの表現は意図してか若干の古臭さを感じさせるが、それでも美しいBGMと名俳優たちの作風にマッチした淡々とした演技が観るものを惹き付ける。
そしてラストが印象的すぎて、鑑賞してから一時間くらいは他のことが手につけられないほど、ずっと余韻に浸ってた。
調べたら『トゥルーマン・ショー』と同じ脚本家みたいで独特の世界観に納得。Blu-rayを買ったのでまたじっくり観てみたい。
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