アクションは全体的に良い。
序盤のゴジラの災害映画的な破壊
ゴジラvsコングの白昼堂々の戦闘
香港戦のハリウッド感漂うゴージャスでビビットな色使い
クライマックス戦の特撮っぽさ
それぞれのアクションの写し方にちゃんとテーマがあって良い。
特に香港戦は豪快な破壊っぷりとコングの縦横無尽に飛び回る動きと照明使いがとにかく良い。
紫、緑、朱色、青、赤、桃、等々のネオン管の色はアクションの内容と含め視覚的にバラエティー豊かです。
そう言うとこも含めて「ゴジラ(2014)」以来のちゃんと画にインパクトのあるモンスターバース作品でした。
フレーミングに始まり、セットとかデザインもクラシック感が増えてるけどダサくなり過ぎてないのが良い。
あとコングの主観ショットが結構増えてるからキャラクターへの没入感も増しています。冒頭の朝シャワーから地底世界探検シーンまで、感情を顔でしっかり語ってくれるとこも多い。
ゴジラは強面な印象が増してヒールとしての役割を全うしていたとは思います。
ゴジラvsコングの戦いで顔を突き合わせて吠え合うシーンは特に感情剥き出しで面白い。
怪獣映画として、アクション映画としての改善点の多さに対して問題があるのはやはり人間側のストーリー、キャラクター、脚本、そしてそのテンポ
あーはいはい言って欲しくないのはわかってるよ。でもやらなきゃいけないんだ。
映画の半分が怪獣要素ならあと半分は人間要素
つまり2時間のうち1時間はアホほど退屈なキャラについていかないといけないです。
ゴジラの怒る原因を突き止めるストーリーはコングの方と上手に重なってなくて出てくるキャラは常時退屈
特に小栗旬は何をしたいのかとかの動機が全くわかんなかったです。
コングを中心としてるストーリーはまだマシです。
脚本は一本調子でスリルもクソもあったもんじゃない。
常時説明口調で次々設定をぶち込んでくるのも映画を退屈にした要因かと思います。
笑いに昇華されないツッコミどころも多く真顔で観てしまうとこが多かったです。
あとゴジラとコングが戦う意味もよくわかりません。
コングを感情移入できるキャラとして置いたのならもう少し動機をハッキリさせたほうがよかったです。
結局何を争ってんのっていうかゴジラが何かコングに悪いことをしたのかそれともその逆なのか
そこの意味がわかんないのでどっちが勝とうが死のうがどうでも良かったです。
だから派手なアクションではあったんだけど結局は感情移入が出来ないので「何か凄い映像」ってだけになっちゃってた気がします。
良い点も悪い点もいつもと同じなモンスターバースの映画ですが良い点の比率が少し多くなった気はします。