よしまる

ゴジラvsコングのよしまるのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
3.6
 そうかぁ、そう来たかぁ!

 レジェンダリーのゴジラシリーズ、どれも怪獣バトルは楽しめるものの人間ドラマが弱く、でもそれは東宝のゴジラだって大きなことは言えないから良しとしてw、それでもせめてそれぞれの怪獣に対するリスペクトを感じさせてくれれば言うこと無しだったのだけれど。

 前作キングオブモンスターズにしても、姿形だけがラドンやモスラなだけで、そこには元祖の怪獣たちの持っていた神々しい魅力や得体の知れない畏怖感に乏しく、言ってしまえば別の怪獣でも良かったようなものだった。

 一方でコングの前作は、髑髏島の生物の特異性や「キング〜コングは友達さ♪」なところはきっちりと押さえつつもアクションに特化していたのが好感度高く、さあこの相反する二つの映画をどうミックスさせてくるのか?興味深く鑑賞した。

 まさかの人間ドラマ無し、乱闘乱闘また乱闘。ほとんど二大巨頭+オマケの小栗旬による肉弾戦巨大生物バトルを堪能するだけの映画だった。
 いや、ちゃんと人も出てくるよ。相変わらず科学への警鐘とか人類のエゴとか、もういつまでやってんの?みたいな。でもそこはあまりにガバガバで語る気にもならないし、事実観終わったら何も残らない。本来だったら、巨大生物に翻弄される骨太な人間ドラマも特撮の醍醐味なはずなんだけれど、下手なお涙頂戴やら社会風刺するくらいならもうこの潔さでいいだろう。

 前作に引き続き、コングやゴジラのオカルト性がややシラケないこともないけれど、今回ばかりはそこさえももうどうでも良くなってしまうほどに、ガチンコバトル「だけ」の映画だった。

 あえて、あえて少し不満を言うとすれば、ゴジラのCG感が結構酷くって、明らか背景から浮いてたり、あと無駄にもぞもぞ動く皮膚が無料のスマホアプリみたいなクオリティだったりが残念。それと、巨大感はまあまあ感じられて、劇場のスクリーンではカバーできないほどだったけれど、つまり言い換えるとまだまだその中での工夫が半端だったような。簡単に言うと、小さなものとの対比の構図が少なかったので、平成ガメラやパシフィックリムのようなミニチュア特撮へのオマージュが足りなくて、2匹のバトルが進むにつれて段々と視点が高くなり、トランスフォーマー風になっていってしまったのが残念!

 続編の可能性は充分にあり、何やら息子編という噂も。その際はどうかベビーゴジラではなくミニラで登場することを願う。そしてガイガン、ジェットジャガー、モゲラあたりは当確、かな?w