映画の道化師KEN

ゴジラvsコングの映画の道化師KENのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

破壊神vs守護神!

監督はNetflix実写版「Death Note デスノート」のアダム・ウィンガード。主演たちは「バトルシップ」のアレクサンダー・スカルスガルド、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のミリー・ボビー・ブラウン、「ザ・タウン」のレベッカ・ホール。加えて、「ジョーカー」のブライアン・タイリー・ヘンリー、「クローズZERO」シリーズの小栗旬、「ベイビー・ドライバー」のエイザ・ゴンザレス、「デッドプール2」のジュリアン・デニソン、「ファースト・マン」のカイル・チャンドラー、「死霊館のシスター」のデミアン・ビチル、「ジョン・ウィック」シリーズのランス・レディックらが共演する!

モンスターの戦いで壊滅的な被害を受けた地球。人類は各地で再建を計り、特務機関モナークは未知の土地で危険な任務にあたりながら、巨大怪獣のルーツの手がかりを掴もうとしていた。そんな中、ゴジラが深海の暗闇から再び姿を現し、世界を危機へ陥れる。人類は対抗措置として、コングを髑髏島(スカルアイランド)から連れ出す。人類の生き残りをかけた戦いはやがてゴジラ対コングという未曽有の対決を引き起こす。

モンスターバースシリーズ第4作品目。シリーズの目玉モンスターたちであるゴジラとコングが死闘を繰り広げるという話題作。本作では人類の味方であるはずのゴジラが突然、人類に対して敵対行動をとるという異例の事態に。対抗手段を探すヒントがコングにあると手掛かりを掴んだ人類は地底探査へと乗り出していくという内容。

本作からレギュラー入りした地中学地図制作者ネイサン・リンド側と前作から登場している、反抗期真っ盛りの高校生になったマディソン・ラッセル側の視点を中心にストーリーが進行していく。2人の主人公たちの視点を切り替える手法は悪くないのだが、全く両者が絡むことは無く、視点が二転三転して切り替わるので感情移入がしづらい。前作のように人類が一致団結して戦う感じが好きな方にとってはあまり受け入れられないかもしれない。更に、ジュール・ヴェルヌ原作の「地底旅行」を引用したであろう、地底空洞の発想も悪くはないのだが尺を伸ばす為だけに使われた印象で、スケールは広がったがあまりワクワクする冒険心はくすぐられなかった。過去作の未開地に踏み込んだ冒険心をくすぐる髑髏島の設定と比べたら天と地の差がある。

そして、芹沢博士の息子、芹沢蓮(小栗旬)がメカゴジラの主任研究員として登場するということで、復讐に燃えてゴジラに挑むのかと思いきや、全くそんな描写は無く、芹沢博士が死んだことを気にかけてる様子も語ることもない。挙句の果てに感電しながら真顔で白目剥き出したまま、生死不明になる。何がしたかったのか分からないまま、退場するという謎展開に観賞者は戸惑うことは必至。芹沢博士の息子を登場させるなら明確な野心や復讐心を持ったマッドサイエンティストとかの設定にしろよ。脚本を考えた奴は正気じゃない。しかしながら、映画のウリである怪獣プロレスのデスマッチはどれも圧巻。殴る、引っ掻く、熱線を放つ、巨大な手斧を振り回すなどルール無用なガチンコ対決は普通に面白い。終盤のネオン輝く香港市街で、人や建物何か関係ねえって、スタンスで理不尽に戦いまくるシーンは「これぞ、怪獣だ!」と叫びたくなる(笑)。

余談だがコングが空輸されていくシーンは過去作の「キングコング対ゴジラ」で登場した気球空輸シーンを現代によせて、オマージュしたそうな。