徹底して虚無だ……(褒めてます)
相変わらず人は死ぬんだけど(これはもはやネタバレでもないね)、それが無痛なのよね。悼みが一切失われた空間。小道具や衣装みたいな、物語にもキャラクターにも関係ない、言わば「映画のノイズ」だけが輝いている空間。それもあってキャラ造形が若干雑だな、とか思ってしまうけれど、そもそも"虚無っぷり"を楽しむコメディ映画だから、どんなツッコミも通用しない。
あと、かっこよくないんですよ、全体的に。全然ダサい。それが個人的には寒い方に行かなくて、むしろイギリス的ナンセンスに見えるから楽しい。逆に言うとダサさのセンスが合わないと単に面白くない映画ですよね。
故にこれは万人ウケする映画とは全然思えない。好きだけど。物語の起伏と整合性とか、主人公の成長とか、そういうエモーショナルなものが好きな人にはあまり合わないのでは？と思う次第です。
