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キングスマン:ゴールデン・サークルのdeenityのレビュー・感想・評価

3.4
前作からのファンとまでは言いませんが、以前はバッチリ劇場で楽しませてもらったんで楽しみにしていたシリーズです。ただやはり二作目の壁は大きいようで。個人的には前作よりも劣っている印象しかないですね。

らしさはあります。平気でいきなりキングスマンの一派を全滅させちゃう辺りの思い切りの良さ。前作での仲間も愛犬も平気で「さようなら〜」ってしちゃう無慈悲な感じ。ちょっとあっさり過ぎたから「え、ホントに死んだの!?」ってぐらいだったけど、前作から入った人からするといきなり食いつかせる展開でした。

今回の敵は麻薬市場を独占する謎の女…ってちょっと待て。この辺から急に生々しいぞ。現実的過ぎる。敵ボスのジュリアン・ムーアの作戦もなんか中途半端にグロさ出すし、人肉バーガーとかあるし。前作もそりゃグロかったさ。だけど痛快さがあった。だけど今作のそれにはねっとりとまとわりつくような粘り気を感じてしまうんだよなー、感覚でしか伝えれなくて申し訳ないけど。
前作も平気で血が噴き出まくりましたが、戦闘シーンの過激なアクションとハードなカメラワークによってそれがテンション上がる一つの要素だったんですよね。頭吹っ飛ぶシーンとかもホントふざけてますけど(笑)それでも楽しかったで終われる気持ちいい作品だったのに、今作は気持ち悪さが残るのが残念なところ。

気持ちの悪さは様々なシーンの後味から来るものもありますね。
例えばコリン・ファースの復活。たぶんファンは待ち望んでた展開なのかもしれないけど、正直やっちゃダメだと思うんだよなー。だって前回の死ぬ直前でやらかした行動を思い出してよ。失格でしょ。だからたぶん抵抗もせず撃たれたんでしょ。それなのに平気で生き返らせて(まあ死んではないのだが)、その上さらに力が落ちたのか落ちてないのかわからない急変。どっちかでいいと思うんだよね、はっきり言って。あのシーンはそりゃテンション上がるシーンかもしれないけれど別に弱くなってなくてもよかったし、弱くなったんなら復活した理由は必要だと思うんだが。スパイを見抜くくだりも何故か説明してくれないし。

たぶん作品全体を通して下手に現実味を帯びちゃったもんだから逆にいろんな理由付けが中途半端になっちゃって、結果的に作品の出来自体を浅いものにさせちゃってると思うわけです。
その典型があのスパイくん。真実とか正直「それで?」って感じだったし、強引にストーリーを上手く噛み合わせようとしてる感が強いと思い、つまりはこの作品は辻褄合わせを尊重し過ぎて魅力だったロマンが欠けてしまったんだなって思えちゃいました。良い意味でアホみたいなスパイ映画なんだからそっちに振り切っててくれよ。

まあそりゃラストの戦闘シーンはテンション上がるんだけど、何でもありを履き違えちゃいけない。そのうち何でもありさ加減で次回辺りにはマーリンが蘇りそうですが(笑)

とりあえず前作には劣りますが、ジュリアン・ムーアが見れただけでもよしとしますか。大好きなんで。ただもうちょい前作のソフィア・ブテラばりの存在感あるとよかったけどね。ということで今作のMVPはマーク・ストロングで!