TAK44マグナム

キングスマン:ゴールデン・サークルのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

4.5
秒でアガっちゃったよ!

タイトルが出たと思ったら、いきなり始まるイカした超接近戦アクション!
野郎と野郎が組んず解れつ、狭い車内で蹴ったり締めたりと忙しい事この上ない!
そんでもって最終的に思ったのは、ウンコまみれになっていてもキスしてくれるカノジョって最高じゃないか!って事。
しかも気高き王女ですから!

そんなハイテンションで始まり、ハイテンションで終わる、マシュー・ヴォーン監督が007をやらしてくれないから自分で作ってやると好き勝手にスパイ映画を料理した「キングスマン」の第2作。
前作からのレギュラーメンバーに加えて、今度はアメリカンな諜報機関であるステイツメンが助っ人として登場、世界の表舞台にたとうと暗躍する麻薬組織ゴールデンサークルの陰謀を阻止するために戦います。

マシュー・ヴォーン特有の毒気は多少薄まったような気がするものの、前作と比べてよりいっそうマンガになってます(苦笑)
すんごいバカを頭良さげなフリをしてやってる。
「ドラッグなんてやってると死んじまうからやめれ」というメッセージを、「でも酒ならいくらでもガンガン飲んでハメ外せ」とベロンベロンに酔っ払いながら発信しているような映画です。
なにせキングスマンは背広の仕立て業だけれど、ステイツマンは酒造業ですしね。
本部ビルはコダワリのウイスキーボトル型(苦笑)。

今回の敵は、麻薬組織のボスだからいくら稼いでも世間から隠れて生活しなきゃならないことに我慢ならないキチガイおばさんのポピー(ジュリアン・ムーア)。
ミスを犯した部下をハンバーガーに変えてしまう悪魔のようなおばさんで、人間よりも機械を信用している節があります。
なので、愛犬もアイボを一億倍凶暴にしたようなロボット番犬だったりしますよ。
これが一匹いれば、泥棒に入られることは一生無くなるでしょう。

アクションは相変わらずキレキレでハチャメチャ。
縦横無尽なカメラワークがマンガチックなバトルを余すところなく追い続け、重力から解放されたかのように跳ね回るエグジー達の軽快さに眼をみはりっぱなし!

おなじみの弾丸をとおさない傘をはじめ、魅力的なガジェット類も大量に投入!
なんでバットとボールなのか意味がわからない(笑)!
それと、アルファジェルは苦肉の策なんでしょうけれど、いくらなんでも過剰なハイテク。
やり過ぎですよ(苦笑)

そして、気になったのが、やはり人が死にすぎ問題。
事件解決しても泣く場面もなくて割とアッサリしちゃった印象をうけたのですが(エグジーとマーリンが慰め合う場面は有り)ロキシーやマーリンにも少年ジャンプ方式が適用されるのか否か?
次作もあるらしいので、大変気になりますねぇ。
あと、ウイスキーはあんなにしちゃって良かったのか(汗)
ジンジャーは怒らないの?

(そうそう、ウイスキーの一件に絡んで、ハリーの調子がおかしい設定がミスリードとしてありましたが、決戦に赴くと何の描写もないまま普通に戦えていたのはあまり巧い処理とは思えませんでした)

まあ、平気で登場人物を退場させるのは「キック・アス」から脈々と続く監督のクセみたいなものですから仕方ないって言えば仕方ないんですけれどね。

以下、良い意味で気になった点。

⚫︎ハサミの看板でグッサグサ!

⚫︎次作で大活躍してくれるであろうチャニング・テイタムの超絶似合わないスーツ姿。

⚫︎ゴールデンサークルという副題に掛けた、ラストに出てくる「ある物」。

⚫︎「カントリーロード」を熱唱する、あまりにも格好良すぎるマーリン。

⚫︎びっくりするぐらい出番が多くて、どのシーンでもノリノリで暴言吐いたり歌ったりと忙しいエルトン・ジョン!
真の主役はこの人でした!


総合すると、前作の方が主人公の成長という主軸がしっかりしていたぶん好みでしたが(それと頭ボンボン大会)、本作は本作で、年明けのハイな気分で観るには最適なバカ騒ぎ映画で非常に楽しめました!
何か嫌なことがあったら、これを大笑いしながら観て、早く忘れちゃいましょう〜♬


劇場(TOHOシネマズ上大岡)にて