このレビューはネタバレを含みます
※このレビューはBBCドラマ「ロンドン・スパイ」のネタバレに触れているので気をつけて!
現行、マシュー・ボーンは一番才能のある映画監督なんじゃないか?とすら思いましたね。
そして情のなさ、期待を裏切るどS感ハンパない。
ちなみに自宅はゲルカ兵(ククリナイフを使う傭兵の中でも段違いの戦闘能力を持つ高給取り。完全スカウト制)が警備してるそうですよ・・・もうそこからも人間性がw
「キック・アス」「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」とちょっとどうかと思うくらいの大傑作を撮って、且つ儲けさせているにも関わらず、続編を監督しないことで有名なマシュー・ボーン。
そんな彼が「キングスマン」のは続投だと?!
根底にあるのはやはり情のなさ、だと思うんですよ。
愛がないわけじゃないんだけど、情は徹底して、ない。
恩も仇もないですよこの人。
マーリーン!!!!!!
「フリーファイヤー」「オクジャ」「ローガン・ラッキー」などに引き続き、ここんとこの映画界は本当にジョン・デンバー流行ってますね。
だから、マーリーンがあの行為に出た瞬間うわー!バーのシーンに続き、もう一回「Annie's Song」流れるのかー!!!ってすでに先読みして号泣ってか嗚咽してたらまさかの「Take Me Home, Country Roads」!!
チャニング・テイタムつながりで「ローガン・ラッキー」で最高に泣ける使い方をされていたのですが、それを上回る最高にカッコよくて、最高に泣けるカントリー・ロードが聴けるなんて・・・今これ書いてるなう泣いてます(笑)
あのスコッチ推しからもわかる通り、マーリーンってスコッティなんですね。
きっとマイケル・ケインの牛耳る頃のキングスマンエージェンスでスコットランド出身の彼があのポジションにつくには大変苦労したことでしょう。
南アメリカ好き(カントリーソング好き)のスコットランド人てなかなか珍しいキャラクターだと思いました。
そしていわば語り部のようなこのキャラをここから先「使わない」という選択自体がクレバー。情がない。
しかしこんなにカッコいいシリーズ途中での主要キャラクターの引退シーン見たことない。
強しぃ!!
本当に悲しかったけど、マーリーンのことが大好きになりました。
ていうか、予告見ない私はもちろん、チャニング・テイタムが敵なんだと思ってましたww
で、米、英のスパイ合戦が繰り広げられるの?!と思ってましたw
そしたら・・・チャンの出番少な過ぎじゃね?!
カウボーイハットにウエスタンブーツでものすごい南部訛りでほとんど何言ってるのかわからないチャンは意外に新鮮。
パンツ一丁でダンスしてるシーンが一瞬しかなくて、最初のショットガン格闘シーン以外は、ほぼ寝てんだよ!!
えーーーーーーーーーーー。
それは・・・チャニング・テイタムファンとしてびっくりだわ。
しかしですね。
今回の敵は1であえて結末を見せられなかった、パブリックスクール出の嫌味なスノッブ、キングスマン試験失格者チャールズなんですよ!!
そう。
「ロンドン・スパイ」でウィショーの最愛の人になる、物静かでピュアな童貞、天才過ぎるが故に悲劇を迎える青年を演じてから私の中での株が急上昇のエドワード・ホルクロフトさんなんです!!
1の時は「コイツ!できるだけ苦しんで死ねよ!」とあんなに口汚く罵っていたにも関わらず、2ではその姿が画面に映るだけで「キャッ」「坊主も似合う」「チャヴ感はないよねー」「アクションもできるのね」「足長っ」と完全に目がハートにしかならなかったですw
これが世間で(すいません盛りました!英国俳優界隈で)言われているホルクロフトホイホイですね!
完全に引っかかっておりますw
ネトフリの思うツボだわーいい顧客だわー。
てかこのキャラクター小者だと思うのに2ではめちゃくちゃ出番も多いしアクション多いし、超おいしい役・・・英国ではホルクロフトさんやはり一定数の顧客が・・・。
ちなみに今回不問にされているのはロキシー。
ハル・ベリーとともに。
今回の女性陣の比較的沈黙は完全なる3への布石ですよね。
(こんなに出番少ないんだったら、別にコミコン2017inサンディエゴであんなテキーラ一気呑みする義理はねえよ!怒っていいよ姉さん!)
そしてラストのテキーラ来英。
もうここまでのお膳立てをしてる段階で、マシュー・ボーンは3の監督は降りるんでしょうよw
そして別監督によって出来上がった「キングスマン3」は「キック・アス2」さながらファンに口汚くディスられるんでしょうね!
うわー眼に浮かぶわーw
そして1のラストでひょんな事から知り合ったスウェーデン王女と真剣交際を続けているエガちゃん。
キングスマンとしての腕は上げつつチャヴシークエンスもきちんと残してあるという可愛がられっぷり。
そんな彼女の実家(SWEロイヤル)に行く件まであるんだから!!
だったら、1の時にカットされたことで物議を醸したガラハット邸での朝のドキドキテーブルマナー享受シーン(ハリーおエプロン姿が見れないだと?!)が見れる。
1も2も敵は一緒です。
独自の価値観を持ち、地球で問題となっている人口増加を食い止めるためにいわゆる間引きをする。
(今回は単純に金と名声目的っぽい)
どちらも金と権力を持ったザ・アメリカ人。
そして、なんとなくこの人の言ってることも一理ある、的な小者トラウマ人種。
こういう人の内面とかをサラッとしか描かず、サラッと始末するマシュー・ボーンは本当・・・情ないよねw
今回、ジュリアン・ムーアに辿り着くまでが勝負って感じであんなイキイキサイコってた人が、ウィスキー含め後半になるにつれわりとしりすぼみな印象・・・。
あと、ジュリアン・ムーアとコリン・ファースが二人だけになった瞬間に漂う「シングルマン」臭(てかロンドンぽさ)は感じてしまいました。
あの大統領もいい塩梅でブッシュ(言うことと見た目)オバマ(ズボンをあげる仕草)をMIXしてて、イギリス人から見たアメリカ大統領ってこんな感じなんだ、とかなり強い皮肉を感じていいですよね。
あ!ここでも反旗を翻したのは女性だあ!!
でも結構びっくりするほどオープニングは1と同じです。
ド派手な夜のカーアクションでロンドンの街を見せつけ、エグジーが仲間を大事にする。
とにかく音楽使いとアクションとオープニングはどう考えても最高だったなあ・・・1で最高だった部分が2でも最高ってやはりマシュー・ボーン天才か?!全て計算か?!
グラストンベリーではアーティストを見せない、と言う演出も賢いと思ったし、エルトン・ジョン完全にお姉キャラも良きですね。
最近はイギリス映画7割、アメリカ映画3割と耳がイギリス寄りなのですが、今回混乱するかと思いきや、意外に勉強になりました。
あ、そこの言い回しとか発音が違うんだ!みたいな。
はあ〜爆音で見たいよお!
2月、3月また劇場大変なことになってくるので、大きいスクリーンでやってる間に早く!おかわり!
ちなみに私は続けて佐藤健と土屋太鳳の「8年越しの花嫁」を見たのですが、ずっとマーリーンのことを考えて涙してました。
そして映画館へ向かう道すがら飛び込んできた薬物がらみのニュースで大変な疲弊をしておりました・・・。
新
日本語字幕:松崎広茂