ハリィしろかわ

キングスマン:ゴールデン・サークルのハリィしろかわのレビュー・感想・評価

4.0
【「キングスマン ゴールデンサークル」鑑賞の巻】

遅ればせながら、先日、ようやく今年初の劇場での映画鑑賞。
とにかくスカッとしたい気分だったので、
作品は「キングスマン ゴールデンサークル」に決まり。

前作同様、007映画へのオマージュをベースに、ド派手なアクションと悪趣味ギリギリの残酷描写、そしてアメリカ文化をおちょくった大英帝国バンザイ!テイストの痛快な作品だった。

私のお気に入りポイントを以下にまとめ⬇️

【 初期の007映画へのオマージュ今回も健在】
靴のつま先から出るナイフや水陸両用カー、
秘密機能満載腕時計といったガジェットから、アタマのイカれた億万長者が独自のトンデモ理論をもとに世界征服を狙うところとか、
現在のリアル志向007では見られなくなった
ケレン味溢れるスパイ映画のテイストが満載。
特に避妊具型の追跡装置(!)なんて、
今のジェームズ・ボンドも使わないだろうよ!

【 とにかくアメリカ文化をおちょくりまくり】
今回、キングスマンに協力するステイツマンはカウボーイ姿そのまんまのコテコテアメリカンファッション、
敵のポピーは映画「アメリカン・グラフィティ」に出てきた50年代アメリカンポップファッション、
と分かりやすいくらいのステレオタイプイメージで統一。
英国紳士のキングスマンとの対比という演出もあるが、大英帝国側のキングスマンが、歴史の浅いアメリカ合衆国に対して上から目線で見ている、というイジワルな演出にも見える(笑)

【 麻薬の日常生活への浸透度に驚き】
ポピーの陰謀で、強度の強い麻薬が世界中に蔓延。麻薬中毒者を救うための解毒剤を奪うことが今回のキングスマンの任務。
だが、その麻薬中毒者の中には、主人公エグジーの友人や婚約者、味方のステイツマン、さらにアメリカ大統領の側近まで含まれていた、
という驚愕の事実。
しかもアメリカ合衆国大統領は、この麻薬中毒者を救うどころか、彼等をそのまま見殺しにして、ドラッグ問題を一気に解決してしまえ、という暴挙に出た。
フィクションとはいえ、現実社会での世界各国で問題となっているドラッグの日常生活への浸透を皮肉る内容になっており、ここら辺は単純に笑ってられないな、と痛感。

【 魅力的な俳優陣、今回も健在】
・ハリー役のコリン・ファース、記憶喪失前後の演技の違いはさすが。記憶喪失中のコリン・ファースを見ていたら、同人が演じた「英国王のスピーチ」の皇帝を思い出した。

・マーリン役のマーク・ストロング、仲間のために自らを犠牲にして、「カントリーロード」を熱唱しながら敵をおびき寄せ自爆した最期に涙。

・そして、今回の飛び道具的キャラことエルトン・ジョン!麻薬中毒あり、コスプレピアノ演奏あり、悪態あり、飛び蹴りありと、英国ナイト爵位者がここまでやってくれるとは!脱帽ものです。

本作は、前作を観なくても十分楽しめますが、
前作を観れば、主人公エグジーの成長とハリーとの友情にも近い擬似父子の絆にホロリとすると思います。

とにかく何も考えずに笑いたい人、最近の007映画に物足りなさを感じている人にはオススメの映画です!
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