rage30

俺の心臓を撃てのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

俺の心臓を撃て(2015年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

精神病院に入れられてしまう男の話。

精神病院を舞台にした作品なのですが、この病院があまりにも酷くてビックリ。
反抗的な患者への過度な暴力は勿論の事、ロボトミー手術みたいな事までしていて、「これ現代の話?」と思ってしまいました。

あくまで、この病院だけが特別に酷いんですよ~というエクスキューズがあれば、まだ分かりますが、それもなし。
ここまで来ると、精神病院や精神病患者への偏見を助長する恐れがあると思うんですけどね…。

そんなわけで、世界観にドン引きしつつも、話的には精神病院からの脱出を図る若者の姿が描かれます。
『カッコーの巣の上で』と『ショーシャンクの空に』を合わせた様な感じで、支配体制への反抗や自由への希求を描きたかったのでしょう。

ただ、それらの作品に比べると、主人公の魅力が弱かったかなと。
カッコーにしろ、ショーシャンクにしろ、主人公が自己犠牲と言ってもいいくらいの利他性を発揮するからカッコ良いのに、本作の主人公は自分が病院から脱出する事しか考えていない。
もうちょっと他の患者を助けたり、病院自体を懲らしめる展開があっても良かったかもしれません。

ラストに「若者を応援してます!」という謎のメッセージが出てきて困惑したのですが、監督曰く、病院に束縛されてる患者は、社会に束縛されてる若者の象徴なんだとか。
精神病患者と若者を一緒にしてしまうの、雑過ぎません???
どっちに対しても失礼な気がするんですけど…まぁ、そういう目で世界を見ている人なので、こういう作品になるんだろうなと、腑に落ちるものがありました。
rage30

rage30