映画のタイトルが気になったので鑑賞しました。
結果としては、タイトル負けしてるなというのが感想です。
この映画は、監督の実体験を基にしているそうです。
僕はどちらかというと、どんな映画も肯定的に観れるし、観ようと思っているのですが、この映画に関しては、時折苛立ちを覚える事がありました。
監督の実体験を基にしたというのは鑑賞前は知らない情報でした。
ただ、どうしても観ながら、“監督の自己満足が強い映画だな”と思ってしまいました。
自己満足は当然のことかもしれないのですが、それでいて観る側に委ねる感が強かったところに違和感を覚えたのです。
映画の内容はと言えば、正直言ってよく分かりませんでした。
情景を映すことを多用しているのですが、これが僕にとっては苛立ちの原因になりました。
タイトルが大きい分、どうしてもその手法が理解出来なかったです。
もちろん、良かったこともあります。
情景を映すことを多用してと書きましたが、当然、この情景には意味もありました。
たとえば、“光”の映し方は印象的でしたし、それは“希望”なのだろうなと思いました。
そして、美しかった。
何より良かったのは、やはり太賀さんの演技です。
鑑賞のもうひとつの理由は、彼の演技を観ることだったので、そこは満足。
彼の自然だけどグッとくるというか、そういう演技が好きです。
誰かにお勧めはしませんが、気付きもくれる映画でした。
追記
レビューを書いた後、この映画のことについてずっと考えていました。
“情景”を多用した意味の前に、そもそも情景とはなんだったのかなとか。
もしかすると“記憶の断片”だったのかもしれないと思うようになりました。
青春を共にした友人の死によって訪れた絶望。
「走れ、絶望に追いつかれない速さで」
この言葉通り、彼なりに抗った。
その記憶はとても大切なものであり、その情景は大切な光だったのかもしれない。
うーん。
観終えても尚、こうやって考えさせられるあたり、深みを持って訴えかける映画なのかもしれません。