マチャアキ

イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優のマチャアキのレビュー・感想・評価

3.6
世界中の数々の監督に見初められ、作品にも恵まれたイングリッド・バーグマン氏の生涯を娘のイザベラ・ロッセリーニ氏がプレゼンターとなりカンヌ映画祭で発表したもの。膨大な量の日記やビデオ、家族のコメントを通して彼女の女性として、妻として、母として、そして女優としての生き様を綴った記録映像に近い伝記。生誕100年を記念して作られたこの映像は、十分に楽しめる内容量となっている。女優としての成功の傍、結婚、離婚を繰り返した彼女。荒れた私生活かと思いきや、日記やビデオから察するに、家族への愛は思いのほか深いものであったのだろうと。それは家族のコメントからも溢れ伝わってくる。自分のやりたいことを素直に行動に移すことによって得られた名誉、その結果犠牲になる家族。然し乍ら、家族からはそれと違った温かい言葉が飛び交う。それは彼女が何事にも真剣で、真っ直ぐに向き合ってきたからに他ならない。名だたる巨匠が彼女を起用したがった理由もそこにあるのではないだろうか。名作として後世に残る作品の中で彼女は、鮮やかに生きて華やいでいる。100年以上前の時代の女性からすれば、今以上の憧れがあっただろう。一人の女性としてずば抜けた魅力を持っていたのだと知ることができる貴重な作品。
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