和桜

灼熱/灼熱の太陽の和桜のレビュー・感想・評価

灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)
3.3
ユーゴ紛争の一つであるクロアチア紛争の直前、紛争終結後、さらにその後という3つの時代を均等に時間をさいて描く。
それぞれが直接繋がり物語として収束するわけではないのだが、それぞれの時代を同じ役者が演じていたりと中々に面白い演出と構成。

「暴力や差別、憎しみの歴史に打ち勝てるのは、人間に備わる愛の力だけなのです。」
この言葉に惹かれてみたのだが、自分の中での「愛」とは少し違った。

一方で公式サイトの充実具合が凄い。
藤村博之先生による映画の背景の説明や製作者へのインタビューなど見てない人にも見て欲しいレベル。
この問題をきちんと考えて欲しいし、伝えたいという思いが伝わってくる。

「クロアチアの人々は、1991年から95年にかけて闘われた戦争を「独立戦争」と呼んでいる。日本人は、外国のメディアがcivil warという表現を使ったこともあって「ユーゴの内戦」と表現することがあるが、それはクロアチア人の認識と全く異なっている。クロアチア人とあの戦争について話すときは、決してcivil warという表現を使ってはならない。「内戦」と言ったとたんにそっぽを向かれ、それ以上の会話は成り立たなくなるであろう。それくらい、つらく悲しい体験であった。」
和桜

和桜