真っ黒こげ太郎

ハードコアの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ハードコア(2015年製作の映画)
5.0
※以前レビューした映画ですが、再鑑賞した機会に文章追加して再レビューしました。
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全編一人称な暴力の過剰摂取!!!

これぞ”映像革命”!

こういう映像技術はぶっ飛んだ使い道位が丁度いい。w




どこかのSFチックな診療代の上で目覚めたサイボーグ男、ヘンリー。
記憶が無く声も出せないヘンリーの目の前には、婚約者を名乗る女性科学者、エステルがいた。
彼女に誘われ、声帯導入手術を受けようとした途端、超能力者(!?)エイカンが率いる傭兵部隊が襲撃!!!
エステルと共に脱出カプセルに乗りその場(飛行船だった!)から脱出!!!
だが、待ち伏せしていたエイカンの傭兵部隊に襲われ、エステルを攫われてしまう!!!
ヘンリーはエイカン軍団の敵襲を振り切りエステルを奪還するために戦いを挑むが…!?



サイボーグ化した男が、婚約者奪還の為に謎の敵に戦いを挑む、全編POV(一人称視点)形式のSF・ハード・バイオレンスアクション。

POV系映像を数多く手掛けていたミュージックビデオ監督のイルヤ・ナイシュラーさんの初監督作。


全編POV映画でドンパチアクションというのも珍しかったし(ゲームではよくある題材だけど)、予告を見るに凄くアクション満載な感じがしたので、当時は何となく劇場へ見に行ったのですが、個人的にはメッチャお気に入りの一作になりました。
(もう3~4回ぐらい見ました。w)


とにかく全編一人称な為、主人公が激しく行動するたびに画面が揺れるため、そこで酔うか酔わないかが評価の分かれ目だと思う。
正直、ネットのレビューでも「酔って楽しめなかった」という声がチラホラ見受けられた。

だが、俺は耐性があるのか酔わなかったので間違いなく楽しめた。

とにかく序盤からアクションと共にテンポ良く話が動くので見ていて飽きない。
アクションも一人称パルクールから火薬満点なド派手な銃撃戦、大人数とのブルータルな肉弾戦、そしてラストの捻りが効いた最高にスカッとするラストバトル等、バリエーションに富んだアクションの連続で楽しめる。

話も上手い具合に捻ってあって、何者か分かんねー主人公が、戦いの中で真実を掴んでいく展開は純粋に見入る。
また主人公は某国民的RPGシリーズの主人公が如く喋れないのだが、身振り手振りなどの一挙一動が人間味に溢れており、喋れないにも拘らず親しみやすいキャラになってたのが好感触。
(馬絡みのギャグが笑えて好き。w)
何故か死んでも復活して出てくる男(!?)の設定も面白く、彼との友情ドラマもベタながらグッと来ます。
真実を知った上で行動を起こすラストの主人公の行動もグッと来ましたね。
「ユニバーサル・ソルジャー」とか「ロボコップ」「トータル・リコール(1990)」の良い所取りしたようなストーリー展開も、ボンクラな俺には親しみやすかったですね。w

数多くあるアクションも工夫が凝らしてあり見ていて楽しい。
主人公がサイボーグであることを良い事に、常人なら死ねる無茶苦茶アクションがあの手この手でて展開。
銃器切り替えまくりの銃撃戦に、ガトリング砲撃ちまくりなカーチェイス、戦車相手に日本刀で太刀打ち(!?)したり、超人連中相手の凄まじいバイオレンス殴り合い等、どのアクションも工夫が凝らしてあって見てて飽きが来ない。
あちこちで景気の良いお色気描写やゴア描写が飛び出したり、派手なクラッシュや大爆発も展開されるのが良い感じ。


正直展開は行き当たりばったりだし、こういう一人称のゲームを数多くやってる人には目新しさは少ないかもしれません。
しかし、今ならCG使えば楽に出来そうなものを敢えて実写で表現して、それでいて面白いアクション映画を作り上げた点は純粋に評価したいですね。

そんなこんなで、斬新なアイディアながら単なる一発ネタに終わってないPOV映画の傑作でした。
映像革命とは言え、単純明快な内容で分かりやすいし、純粋にアイディア賞モノアクションを楽しむにはうってつけでしょう。

エログロで勢い重視で人によっては酔うかもしれないので万人には勧めにくいですが、バイオレンスやドンパチが満載なアクションが大好きなら見て損はないぜ!!!