これは...！「ハードコア」じゃなく、原題通り「ハードコア・ヘンリー」だ！エンドロールでカッコいいロゴで表現されたタイトル！拍手喝采ですわ。おーい邦題、もっと考えてください。
何という情熱とセンス。ぶっ飛んだ熱意の塊が直撃したみたいにクラクラです。動くわブレるわの主観カメラオンリーなので、視覚的にもぐわんぐわんです。
こんなの映画じゃない！とか、FPSゲームをなぞってるだけだ！とか、そんな意見の御仁の気持ちもわかります。荒削りで視覚的にも酷い作品。しかし、ここはあえて星５で。吐きそうになりながらも素敵な体験でした。
究極のトラブルに巻き込まれた記憶喪失の主人公を追体験する展開。常に死と隣り合わせ。登場人物がバンバン死ぬ。ジミーもバンバン死ぬ笑。ああ良いキャラ。
もうずっとクライマックス感でめちゃくちゃ脳が疲れます。安らぎなどひと時もないのです。ひと息ついた瞬間にだいたい死にます。
勢いだけかと思いきや、ストーリーも練り込んでて、ただの勧善懲悪でないところも好き。ヘンリーのアイデンティティと向き合う旅。そう、これは「ハードコア・ヘンリー」なのです。幼少のシーンの覚醒演出は痺れました。やれーぶっ潰せー！
左右別々の映像の演出がまた大好き。序盤は何だこれ？といった感じ。中盤でなるほどなーと感心。ラスト、うおおおーそうきたか！それすらもアイデンティティにするか！という用意周到さに感服。
あと音楽の使い方がたまりません。特にシナトラの大好きな曲、I've got you under my skinとジミーの演出はウハウハでした。良い曲、良い役、良い役者。最高です。
あとアドレナリンと共に送るクイーンのDon't stop me now. ここにきてこの曲というセンス。大好き。馬のとことかもそうだし、監督はやりたい事いっぱいあるんだろうなあ。次作を期待しています。
もう一回観たいけど脳的にもう観たくない葛藤。ああいつかまた観よう。良かったです。
