映画おじいさん

正しい日 間違えた日の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)
-
2015年のTIFFで観たときに、本人を眼前にしながら軽々しくエプダ(=可愛い)を連呼する主人公に感動して以来、可愛い人に会ったら「可愛い」と本作のように直接何度でも言うように心がけていたんですが、2018年の今、一般劇場公開で再観して、それが大きな間違いだということを思い知らされました。

なんといっても、皆さんからも指摘されているように、主人公みたいなおっさんがそれをやるととにかく気色悪い。なんで初観で主人公に感動したのか自分でもサッパリ分からないくらい誰がどう見ても気色悪い。この3年弱、私も気色悪いおじさんだと思われたんだろうなあ、という思いが鑑賞している間ずっと心揺さぶったので今回の方が初観よりずっと楽しめました。

どちらの話でも「私は友達がいないのです」と繰り返すキム・ミニ。その答え(対処法)をウッカリ期待してしまったけど、これはホン・サンスの映画、そんな心構えで観ては本筋が見えなくなるので以後気をつけようと思いました。

そういえば登場人物が誰もセックスしなかった。ホン・サンス初期作では必ず誰かがしていたような気がするけど、どの辺りからこうなったのかな。少なくとも本作以降は全てしていないような気が(要確認)。

ホン・サンスファンを自称する人からの低評価もあるみたいですが、私が思うに転換期の作品なので、初期作と今の作品のテイストが混在していて意外と初めてのホン・サンス向きかも知れません。