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正しい日 間違えた日の小のレビュー・感想・評価

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)
3.3
キム・ミニと不倫中にして妻と離婚をめぐって争っている最中の韓国のホン・サンス監督の4作品連続上映の3作目。とはいえ、これが4作の中で一番初めの制作で、2人の初タッグかつ恋に陥るきっかけとなった作品。

観光名所でたまたま見かけた女性ヒジョンを好きになってしまう映画監督ハム・チュンスが、ヒジョンを口説くことに失敗する「あの日は正しく、今は間違い」の前半、成功する「今は正しく、あの日は間違い」の後半の2部構成。

比較することで、成否の分かれ目となったのは何かをよーく考えてみようってことですかね。例によってコーヒーに誘って、お酒も飲んで…。ポイントはハム・チュンスのある秘密(?)をヒジョンが知るタイミングらしい。

教訓としては正直が一番、みたいなことですかね。とはいえ、それが絶対的な法則ではないだろうから、本作はホン・サンス監督自身の成功体験ですかね。

もっとも、女性の口説き方の指南を描きたいわけではないだろうから、本作の面白味とか味わいを私がわかっていないのだろうと思う。

何故、わからないのかといえば、やっぱり鑑賞経験不足がひとつ。菊地成孔氏は<「ホン・サンスの映画は、3種盛り。ゴダールの画面構築に、ロメールのストーリー、そして物語構造に少しブニュエルという感じがする」>と話しているけれど、ゴダールはともかく、ロメール、ブニュエルって何?って感じだし。(調べてみると特集上映があったにもかかわらず、見事にスルー。こういうきっかけがあると、次の機会には観てみよう、とは思う。)
(https://eiga.com/news/20130603/13/)

もう一つは恋愛とか男女関係についての経験が乏しく、ということは、それ程関心がない(あるいは非モテにつき関心を持たないようにしている)ためか、作品の中にある機微が自分には感じ取れないのかもしれない。

キム・ミニとの関係って、ホン・サンス監督が55~56歳の頃から。監督の奥さんによれば<「夫は娘に『一人の相手と結婚生活を続けるのはバカなことだ。世の中で一番幸せなのは、今愛している人と一緒にいることだ』と言ったきり、そのまま家を出た」>らしいけれど、善し悪しはともかく、エネルギーあるよなー。自分には真似できないし、したいとも思わないということも、自分が本作にイマイチ入れない理由なのかもしれない。
(http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2047303)

●物語(50%×3.5):1.75
・同じようなストーリーを比較するのは嫌いじゃない。ただ後半のハム・チュンスがヒジョンに好かれる理由はイマイチピンときていなかったりする。

●演技、演出(30%×3.0):0.90
・良さをわかってない気がする。

●画、音、音楽(20%×3.0):0.60
・どの辺がゴダールなのかしらん…。
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