百日告別の作品情報・感想・評価

百日告別2015年製作の映画)

Zinnia Flower/百日告別

上映日:2017年02月25日

製作国:

上映時間:97分

3.6

あらすじ

数台の車による大きな玉突き事故に巻き込まれ、心敏(シンミン=カリーナ・ラウ)は結婚間近の婚約者を、育偉(ユーウェイ=シー・チンハン)は妊娠中の妻を失った。その事実と悲しみを受け止められないふたりを置き去りに、周囲の時間は流れてゆく。心敏の婚約者の両親は彼女に、遺体を高雄に連れ帰ると言い渡す。初七日、山の上の寺を訪れた心敏と育偉。同じ日に同じ寺を訪れ、それから節目ごとに大勢の人たちと並んで読経する…

数台の車による大きな玉突き事故に巻き込まれ、心敏(シンミン=カリーナ・ラウ)は結婚間近の婚約者を、育偉(ユーウェイ=シー・チンハン)は妊娠中の妻を失った。その事実と悲しみを受け止められないふたりを置き去りに、周囲の時間は流れてゆく。心敏の婚約者の両親は彼女に、遺体を高雄に連れ帰ると言い渡す。初七日、山の上の寺を訪れた心敏と育偉。同じ日に同じ寺を訪れ、それから節目ごとに大勢の人たちと並んで読経するようになった。やがて…。

「百日告別」に投稿された感想・評価

交通事故で出産を控えた妻を亡くしたユーウェイ。妻との幸せな生活と、新しく生まれる子どもを一変に失った彼は、事故の合同葬儀の会場で同じく婚約者を亡くしたシンミンと出会う。彼女も結婚を控えて、新しい生活への希望を一変に失い、同じく絶望した婚約者の家族にも冷たくあしらわれてしまっていた。互いの存在を知った2人は、悲しみから抜け出そうと、それぞれ旅に出るが。。カリーナ・ラムが台湾の金馬奨最優秀主演女優賞を受賞したドラマ。監督、脚本を務めるのは「九月に降る風」のトム・リン。

台湾映画ということで、割に日本に近い感覚で観れる作品になっています。それぞれに妻と、婚約者という幸せな生活を事故によって一変に失ってしまった者が、それぞれの喪失を埋めるための百日の心の旅。日本でも信教によって違うかもしれませんが、多くの仏式であれば、死者に対しては初七日や、四十九日など期間を設けながら、死者の魂を弔うとともに、遺された者にとっても、そうした失った者に対する想いを整理するという、文字通りの「告別(別れを告げる)」の形を取っています。この時間を取りながらも死者と対話し、思いを巡らす儀式を行っているのは素晴らしいなと思っています。なかなか、百日法要までする人は日本でも稀ですが、本作でも紹介されるように、この百日をもって、故人との別れの悲しみを断ち切る(「哭(な)くことから卒(しゅっ)する(=終わる)」)というのはなかなか遺された者にとっても、厳しい節目までを描いているのです。

お話としては何台も絡む、大きな交通事故に巻き込まれ、遺された2人の男女のその後を描いていますが、安易にぞれぞれの愛する者を失った同士が惹かれあうという話にはなっていないのです。むしろ、ユーウェイとシンミンの話は全く違う筋のお話として進んでいるといったほうがいいくらいです。その中で、2人が各々で、各々の方法で愛する者を自分の中から旅立たせる準備をする。ユーウェイにとってはピアノ教師だった妻の一面を追っていくことであり、シンミンは料理家であった婚約者との楽しみにしていた新婚旅行を1人で行くことだったりする。それぞれの旅の中で、全く知らなかった人々の出会いから改めて、愛する者のいないことを悟りながら、徐々にその面影からの別れを慈しんでいくのです。なので、葬儀場での何回か描かれる2人の出会いは、日を追うごとに少しずつ開放されていくような表情に変わっていくのを、よくカメラが捉えています。このアンニュイな空気感は台湾映画ならではと感じることができるのです。

それにしても驚いたのは、台湾の仏教寺院での読経シーン。日本とは違って大乗系でしょうが、日本の念仏と違って、リズム感がゴスペルのような音楽に近いものになっているのです。日本のお寺での読経も味わいがありますが、また違った仏教感にも少し興味が湧いてきました。
本日2018年6月3日、鑑賞。
CS衛星劇場での紹介が「東京国際映画祭で上映決定と同時にチケットが完売となった超話題作『百日告別』テレビ初放送!」ということなので、観てみた。
なかなか感動する台湾映画だった。感動で涙する場面もあり。

突然の交通事故シーンから始まるこの映画、婚約者を亡くした女性シンミン(カリーナ・ラム)、そして妊娠中の妻と生まれてくる子供を亡くした男性ユーウェイ(シー・チンハン)の二人が、愛する人を亡くした後いかなる生活をおくるかが淡々と描かれている。

シンミンは、新婚旅行で行くはずだった「沖縄グルメ旅行」に一人で行き、夫が選んでおいた店巡りをして沖縄料理を食べ歩く。夫は調理人だった。

ユーウェイは、妻がピアノ教師だった。ピアノ教えていた生徒にお金を返して歩く。

シンミンの夫の学生時代の女性教師を訪ねると、学生時代の夫が先生の子供が亡くなった時に渡したカードを見せられる。
「咲く花も時の流れに散りゆくもの」なる言葉に涙させられた。

台湾映画の感動作。
Hagiwara

Hagiwaraの感想・評価

3.0
台湾ニューシネマ、エドワード・ヤンの直系ともいえるトム・リン監督作。
交通事故で恋人、妻を失った二人が、その悲しみに向かい合っていく様を描いていく。
オフィシャルサイトではヒーリング・シネマと謳われているが、癒しというより、ずどーんと共に悲しみに浸る映画という感じ。悲しみから少しずつ立ち直っていく様も描かれているので、そういう意味での癒しなのか。
タイトルは仏教から来てるみたいです。故人が自分の死を悟り、この世に別れを告げ成仏するまでの日数みたいですね。

主演は五月天のギタリスト石頭。今までもちょいちょい映画出ていましたが、おっさんになったからなのか、ずーと悲しみに落ちたイイ演技しています。(この人、バンドも上手くいってるし、美人のカミさんいて幸せ絶頂のはずなのでw)
さく

さくの感想・評価

3.4
亡くなった方の情景が足らなくて、今ひとつ感情移入しきれないな〜って感じ。

最後15分は心掴まれた。

悲しみの中にみえる喜び。
2015年東京国際映画祭上映タイトル「百日草」
人の死を扱ったものはどうしても苦手だと思ってしまう

けどこれは終わり方が良かった。

大切な人が亡くなってから100日間のお話。
セリフが多くなくて、ゆっくりと描いているのが良かった。

このレビューはネタバレを含みます

 愛する人を交通事故で失った人たちの喪失と再生の話。

 冒頭で多重事故でけが人が続出している様子が映って、主人公2人がピアノ教師の奥さんを亡くした旦那さんと料理人の彼を失った女性の2人のそれぞれのストーリーが展開されていきます。

 セリフも少なく、愛する人を失って悲しみに暮れる人たちを90分映し出されて演出もなかなかのヘヴィーな作品でした。実際に愛する人を失った人が見たら、相当くらってしまう作品なのではないかという演出でした。

 男性はピアノ教師の奥さんの生徒さんたちに月謝を返しに歩いて、女性は新婚旅行で行く予定だった沖縄を一人旅していく。2人の物語は、お寺でお経を唱えるときに近づくだけで交差することなく。初七日、五七日、四十九日、百日と劇中でも節目節目で合同法要がこんなに死者を弔う儀式がいっぱいあるのかと台湾の仏教の考えを少しだけ知ることができました。

 大きな出来事もうねりもないですが、突然いなくなってしまった人を受け入れるまでの100日間を静かに丁寧に描いている作品だと思いました。
ゲル

ゲルの感想・評価

3.6
多くが語られるわけではない、叙情的な作品。
とても重いテーマではあるものの、お葬式の方法、漫画、旅行先等日本人にも馴染みやすい。
2人がどう絡んでいくか期待したけれど、その点では期待外れだった。
死のうのとするシーンはちょっと不快。
中学時代の先生が良い人そうで、エピソードも涙を誘う。
エンドロールの音楽が良かった。
猫

猫の感想・評価

4.0
佳い映画でした。
哀しみを癒やすのに、時間と節目ふしめの儀式が助けてくれる。 
そういう仏教の祭事は、死者を祀る為のものでもあり、残された者のためのものでもあるのです。
彼女が、キチンと泣けて良かったなぁ。
亡くなった人の思い出は、つらいけれど生きる糧になってくれるのです。
いつまでも心に残る映画です。

 2017.03.18 シネマスコーレにて鑑賞
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